短編小説 | ナノ



フラッシュバック
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!!『紅い秘事』の続きネタです
!!バイオレットが激高します注意













対峙するキャンパスは真っ白。
あてもなく感覚で筆をとり
ボクの色で染め上げていく。

暑いし邪魔だから
カレッジコートを
近くの椅子に脱ぎ捨てて。

キャンパスの向こう側には、君。
じっとボクの顔を見つめてるけど
そんなにボクを見たって
さして面白くもないだろうに。


「・・・」

『・・・』


互いに無言が心地いい。
あんまり喋られても気が散るし
それを分かってくれてる
君は敏い子だと思う。


ふと君が立ち上がり、廊下に出る。
ボクは気にせず筆を走らせ続ける。


『バイオレット先輩は?』

「手が離せないの。どーしたの?」


チェスロックとマリアが話す声が聞こえる。
やっぱり気が利く子。だから好き。


『レドモンド先輩が呼んでんだよ』


え、今?
タイミング悪いなあ・・・


『しまったな・・・俺も今ちょい手ェ離せねぇし』

「じゃあ私が行ってくる」

『わーりィ』


ボクに声をかけることなく
そのままの足で階下に駆け下りる君。




その足音にふと、
「あの日」の光景が蘇る。









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