短編小説 | ナノ



誰が猫だって?
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「きゃっ!」



ソファにストンと降ろされ
彼が覆い被さる



『ねぇ』


「っ・・・バイオレット先輩?」


『今ボクのこと猫みたいって思ったでしょ』



す、鋭い・・・
私の前髪をサラリとかき上げると
じっと私の目を見つめる紫の瞳。



「うん・・・ちょっと」


『ほんと心外だな』



いきなり首筋にガブリと噛み付く彼
そのまま首筋を熱い舌が這い
濡れた感触に思わず顎の先が反る



「いっ、あ!」


『覚えといてよ』



先輩の口元がにっこりと笑って
胸元のエンブレムをトントン、と指差す

彼の指先を見つめる私に
かき抱くようにキスをして



『ボクは・・・狼だよ』




紫の狼さんは肉食だったのね。
今更ながら気付いたある日の昼下がり。





end





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テーマ「人外ファンタジー」
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