これが運命ってやつさ
バイオレット
ただのポエムってます
死ネタかもしれない注意!!
哀しいオルゴールがぽろぽろと夕暮れに溶ける。
私はひとり、白い空を見上げて込み上げる涙をこらえる。
泣いてはいけない。
ほら、睨みつける空はこんなにも優しい。
きっと彼はまだ世界のどこかにいる。
彼がおった傷に比べればきっと
こんな痛みなんか・・・
「バイオレット・・・先輩・・・」
名前を呼べば、何処からか先輩が現れて
あのいつもの覇気のない声で
笑いかけてくれるような気がして。
・・・・・・そろそろ、この癖もなくさなければ。
月日は流れた。あの頃とは私も貴方も
きっと変わってしまっているはずよ。
嗚呼、もしかしたらそのせいで
お互いを見つけることが出来ないのかもしれない。
私は相変わらずいつだって探してしまう
あの重苦しいコートを
奇妙に色付く癖のある髪を
繊細な指先の艶のある黒を
──もう今は、そんな彼はどこにもいないのかもしれない。
「もう私、諦めちゃったよ・・・先輩」
から笑いを浮かべて引きずる脚
きっともうすぐ見えてくる大きな扉
喪失にしんしん痛む胸を押さえて
きっと私はその扉はくぐれない
ぐしゃりと生温い血だまりを掴んだ
「探せないのなら、お先に此処で待っています」
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