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リリアの斡旋
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―――私の住む世界では、自分の実力を正しく理解している者のことを所謂「大人」と呼び、そうでない者を「子供」と呼ぶ。
そう言うと、彼のお目付け役、リリアは愉快そうに高らかに笑った。



「まったく…人間の世界の言葉はよう的を得ておることよ」



のう、マレウスよ、と言いリリアは自身の右上を見上げた。何度見ても見慣れないこの高低差も、いずれは慣れてくるだろうか。
私はリリアよりも随分背の高い男――マレウスに向かい、頭を下げた。

マレウスは私を遥か上から見下ろし、頭を下げる私にはその表情は分からない。


「ナイトレイブンカレッジには我らとは異なる種族もたくさんおる。中でも人間――彼らについての見識を深めておくことは茨の谷の王となるおまえには有意義じゃ」


頭を上げれば、リリアとマレウス、2人のそれぞれの視線が私に刺さる。






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