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リリアの斡旋
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――数日前の事だった。学園の一生徒でありながら行く行くは異界の王となるマレウスに、人間世界のことを教授してくれないかとリリアから談判があった。リリアが言うには、茨の谷と人間の世界の間の友好関係保つために、王として友好国のことを深く知る必要がある、とのことだった。――





「レイの民俗学は一等おもしろいと聞く。お前もきっと気に入るだろう…マレウスよ、彼女から人間とは何たるかをしかと教わって参れ」




私は頭を下げ、一生徒が相手であるにも関わらず恭しく挨拶をしたが、彼は気分を害したのか表情すら窺い知ることもできないまま彼はその場から立ち去ってしまった。



「…なに、レイならばあの竜を相手に不足はなかろう。しばらく迷惑をかけるが、よろしく頼むぞ」


愉しげに微笑み、リリアもその場を去っていった。


明日の夜には、『件(くだん)の彼』に特別授業をしなければならない。考えなしに引き受けてしまったものの、私にあの男の教師は果たして務まるのだろうか……

今になって、後悔の念が胸を過った。








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