短編小説A | ナノ



今、君に
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『壊れかけた白い世界で』続編です














『一曲お相手ねがえますか、レディ』


「・・・ごめんなさいね」




モーニング姿の男性は心底がっかりした様子で私の前を去っていく。私はボーイのトレイからグラスを受け取り、煌びやかなダンスホールを眺めた。

楽しそうに踊るたくさんの人々の姿。
ひとりため息をつき、ダンスホールの扉を開く。



誰かと踊る気にはなれなかった私は、誰もいないバルコニーに出る。少し寒いけれど、ドレスと強いアルコールに火照った身体を休めるのには都合がいい場所だった。


「・・・はあ」


冷たい水を口に含み、一息ついた時だった。



『・・・おや、レディ。何処かでお会いしましたか』



外を眺めていた私に、背後から声が聞こえた。






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