The wolf can't be tamed…?
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・・・・・・・・・10月31日。
今日はハロウィンパーティーが大食堂で行われる日。今年から監督生の寮弟になった俺も準備に追われて、こうしてマリアとふたりで会うのも随分と久しぶりだ。
『しかし今日の俺はパーティーどころじゃない・・・!』
「いいじゃないの、慌てても仕方ないわよ。仮装する手間が省けたじゃない」
『ふざけるな!こんな姿、寮生達に見られたら笑われるだろう!』
くすくすと笑うマリアがドレスを手に取り、ベッドに座り込む俺の前を通り過ぎる。その時、
ふと香る香りに微かに違和感を覚えた。
『香水、変えたのか?』
「驚いた・・・。変えたのは香水じゃなくて石鹸よ」
自慢じゃないが俺は女のそういうことには非常に疎い。しかし今日はどうやら鼻が利くようで、やたら彼女の香りを強く感じる。前の香りも好きだが、新しいものの方が清潔感があって好きだ。・・・もちろん、そんな柄じゃないから言葉にはしないが。
「貴方がそんな事に気がつくなんて、やっぱり今日の貴方はワンちゃんなのね」
『なかなかひどい貶し言葉だな・・・』
ふと、彼女が目を輝かせて戻ってくる。何事かと思ったら、俺が座るベッドに飛び乗り俺の背後に陣取った。
「今気がついたー!尻尾もあるじゃない!」
『何!?しっぽぉ!?』
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