短編小説A | ナノ



ブラッディーメアリー
2/7








パーティー会場で出会った真っ白な花嫁
赤面する生徒達の手を渡り歩き
甘い言葉を笑顔でかわしながら
私は彼女から差し伸べられた手を取った





「あなたは・・・女性?」




薄紫色の透き通った瞳
繊細な銀細工の睫毛
銀髪を飾る真っ白な羽根
スラリとしたシルエットに纏う純白のドレス

何もかもが目が眩むほど輝いて




『・・・失礼だね、マリアセンパイ』




声を聞きはっとする
この薄い唇から紡がれる声は
間違いなく・・・・・・



「あなた、グレイなの?!」



にやにや笑いながら私の手を取り
共に軽快にワルツのステップ
きっと傍から見たら奇妙な光景だろう
女性同士でダンスなんて



「なんでそんなカッコしてんのよ・・・」


『何言ってんの。今日はハロウィンじゃん』



笑いながら言ってのける。
仮装だったのか。
だから真っ白なウェディングドレスで
お化粧もしてて・・・・・・って




「まさか自分でしたの?お化粧・・・」



『ッんなわけないじゃん!こーゆーの得意なヤツ、ひとりいるでしょ?』




きっと彼が言っているのは
フィップスの事だろう。
奴に仮装頼んだらこうなったんだよ、と
ぶつくさ文句を言うグレイ。




「うふふ、似合ってるわよ」


『やだよこんな格好!早く脱ぎたいよ・・・』



とか言いながらまんざらでもない様子で舞う
私と背丈のさほど変わらない男

その手は冷たくて、脈動を感じない

人懐っこい笑顔の向こう側に
垣間見える彼の秘密・・・・・・








「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -