いつかその瞳が私をうつすとき2/6
内腿を彼の薄手の衣が擦れる。それだけで彼の身体を感じ、マリアのオンナの身体は花開く。
『・・・声、出さないでね』
「・・・んっ・・・」
彼の低い体温が唇に触れて、普段の言動に反して慣れた舌遣いに翻弄される。きっとたくさんのオンナを魅了してきたであろうその唇。マリアは高ぶる身体を捩らせながら目を閉じ思いを巡らす。・・・自分もその中のひとりに過ぎないのだと、些か悲しみすら感じて。
「・・・っ、ひどい人・・・」
『・・・君こそ』
私をこんなに夢中にさせて、そんな気持ちも知らないで弄ぶだけ弄んで。
初めての恋がこんなに辛いものになるなんて。貴方の瞳に写るのは黄色い歓声をあげる女の子たちでも、ましてや目の前で痴態を晒す私でもない。
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