共通性感帯4/5
私の手を取ったまま
片手でマニキュアの小瓶をくるくると開け
無言で刷毛を取り出す先輩
「・・・先輩?」
『・・・』
静かに1本ずつ塗られていく先輩と同じ漆黒
私よりも数倍手際が良くて
「ん、なんか・・・ほんと・・・」
『・・・』
「変な感じっ・・・」
ひやりとしたネイルが指先に施される度
ぞくぞくと何かが沸き立つようで・・・
くすぐったさを通り越して・・・ヤラシイ。
『・・・ね』
無音の中で私の手を見つめる
先輩の長い睫毛も、華やかな相貌も
真剣な眼差しと相まっていっそう官能的
指先を丁寧に愛撫されているような錯覚
なんだかふたりだけの世界にいるみたい
全て塗り終わる頃には耳まで熱くなって
まだネイルの施されていない方の手で
思わず顔を覆ってしまう
先輩の顔が見れないほど意識してしまって
目を開けることが出来ない。
なんだか少女みたいで・・・恥ずかしい。
『ね、なんか・・・エロいよね』
「・・・・・・・・・・・・うん」
『ボクたち指先が性感帯なのかも』
end
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