短編小説A | ナノ



共通性感帯
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「はぁ・・・な・・・なによっ・・・」



『何でもないよ・・・続けて』



くつくつと喉の奥で笑う先輩。
もう無理・・・
1回緊張の糸が切れたら
手が本格的に震えだしちゃって



「はぁっ・・・もうダメっ!」


『ありがとう』



唇に啄むようにキスをくれる先輩




『それにしてもさ』



最後の1本をさっと自分で塗り
まだ乾ききってないであろう左手で
ティーカップを取る先輩

でもさりげなく爪が当たらないように
取っ手を持っているのがわかる





『なんか変な気分になる・・・』


「え?」


『こう、指先いじられるとね・・・』


「どういうこと?」


『・・・勃っちゃいそうだった』


「ぶっ」



紅茶を吹き出しそうになる私

ふいに私の手を取って爪の先をさらっと撫でる
えも言われぬ感覚がぞわっと
背筋を走って・・・すこし肩が竦む



「んっ!」


『・・・わかる?』









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