優しい死神
6/7
「・・・ん、バイオレット・・・」
『・・・・・・』
「もう、夜が明けちゃう・・・」
少しずつ明るくなる森と、消える幻想的な光。
僕は一度だけ深呼吸をして、隣で恥ずかしそうに微笑んでいる彼女を見た。
『・・・いかなきゃね』
「・・・うん」
もう何も怖いものはない
君が永遠に隣にいてくれるなら、僕は他には何も望まない
僕は君の手を取って
先に広がる闇を歩んでいこう
『・・・・・・・・・マリア』
「・・・・・・バイオレット」
────僕を迎えに来たのは、優しくて愛しい死神だった。
end
≪|
≫