短編小説A | ナノ



優しい死神
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「・・・ん、バイオレット・・・」


『・・・・・・』


「もう、夜が明けちゃう・・・」


少しずつ明るくなる森と、消える幻想的な光。
僕は一度だけ深呼吸をして、隣で恥ずかしそうに微笑んでいる彼女を見た。


『・・・いかなきゃね』


「・・・うん」



もう何も怖いものはない
君が永遠に隣にいてくれるなら、僕は他には何も望まない


僕は君の手を取って
先に広がる闇を歩んでいこう




『・・・・・・・・・マリア』

「・・・・・・バイオレット」





────僕を迎えに来たのは、優しくて愛しい死神だった。






end




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