オトナの恋のはじめかた3/9
───やっぱりこの男が考えていることはよく分からない。
私は彼への告白の返事が聞きたくてこの部屋に来たのに、気付けば雰囲気に流されて一線を超えてしまっていた。
普段は飄々としている彼のオトコの一面を見た気がして、私はあまりのギャップに軽いめまいを覚える。
「バイオレット・・・」
『・・・・・・』
乱れたシーツに飛び散った様々な体液。肩で息をする彼の少し開いた唇。
はじめは彼が上位だったはずなのに、気付けば私が彼に跨っていた。ベッドの上の全てが物語るのは、私たちの行為の激しさ。
今更恥ずかしさがこみ上げてきて、真っ直ぐに彼の顔を見ることが出来ない。
「・・・あの、シャワー・・・浴びてくる、ね・・・」
何も言わない彼にいたたまれなくなり、逃げようとする私の腕を彼が掴む。
『・・・も少し待って』
「・・・えっ?」
ようやく見えた彼の瞳はいまだギラギラと光って見えた。
私の中で少しずつ彼の熱が蘇るのを感じる。
彼が私の手にキスをしながら、微かに笑った。
「あっ・・・バイオレット・・・!?」
『・・・もう一回・・・できる?』
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