短編小説A | ナノ



オトナの恋のはじめかた
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───やっぱりこの男が考えていることはよく分からない。

私は彼への告白の返事が聞きたくてこの部屋に来たのに、気付けば雰囲気に流されて一線を超えてしまっていた。

普段は飄々としている彼のオトコの一面を見た気がして、私はあまりのギャップに軽いめまいを覚える。


「バイオレット・・・」


『・・・・・・』



乱れたシーツに飛び散った様々な体液。肩で息をする彼の少し開いた唇。

はじめは彼が上位だったはずなのに、気付けば私が彼に跨っていた。ベッドの上の全てが物語るのは、私たちの行為の激しさ。


今更恥ずかしさがこみ上げてきて、真っ直ぐに彼の顔を見ることが出来ない。



「・・・あの、シャワー・・・浴びてくる、ね・・・」


何も言わない彼にいたたまれなくなり、逃げようとする私の腕を彼が掴む。



『・・・も少し待って』


「・・・えっ?」




ようやく見えた彼の瞳はいまだギラギラと光って見えた。

私の中で少しずつ彼の熱が蘇るのを感じる。
彼が私の手にキスをしながら、微かに笑った。


「あっ・・・バイオレット・・・!?」


『・・・もう一回・・・できる?』






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