春眠暁を覚えず。
2017/02/25 08:26
『バイオレット...』
「...何......っ」
男は唇を噛み締めて、私から目をそらす。
恍惚としたため息を吐き、私は汗が伝う男の頬に手を伸ばした。
『...好き...っ』
「......っあ、ちょっと...」
余裕なさげな彼の口から漏れる喘ぎ。そんな彼の表情に、ふと芽生える悪戯心。私は悟られぬよう微かに微笑み、慎重に律動を繰り返す彼に素知らぬふりして口付けた。
『...バイオレット、愛してる...っ』
「...っ、あ、やめ...」
『...中に出して』
「...っは、あ!」
途端に奥に灼熱の迸りを感じる。私は無意識に腟内で呆気なく果てた彼を締め付けた。
彼は私を組み敷いたまま、貫く絶頂の波に肩を震わせている。
「.......っ」
『...まだ...?』
───この瞬間、この時が永遠に続けばいいと思ってしまう私は、男の貴方のことを本当は何も慮っていないのだろう。
『...気持ちよかった...?』
「...君は...いつもいつも...っ」
いたずらっ子のように微笑めば、すべて出し切った彼がひと呼吸おいて私の頬をつねった。
「...ダメって...いつも言ってるのに」
『んー...何が?』
汗ばむ彼の幼い仕草に、私はまた愛おしさを募らせて。そっと彼の首を抱き寄せると、奪うように施される口付けに私は身を委ねた。
「...卑怯、だよ...」
『......っ、ふ』
「...僕が...弱いこと、知ってるくせに...」
我慢しながら喘ぎが抑えられない男が好き。エロい。
愛する人の『好き』という言葉だけでいけちゃう紫先輩とかどうですか