おねがい!



「副長、見てこの写真おもしろい」

いま一緒に見ているのはこの前の飲み会の写真だ。
普段は撮らないのだが、ジャイ子が撮るようになってから撮ることが当たり前になってきていた。

「副長やだ、全裸!きたなーい!」

「やだやだ副長のピーなんて見たくない!誰が撮ったの!私か!」

「……」

「うえ〜近藤さんまで全裸…あ、総悟くんはだけてる〜かっこい〜」



…コイツ、俺の彼女なんだよな?
なのに俺の名前で呼ばず、副長って呼ぶんだ。(すげえけなされてるのは聞いてないことにしよう)
別に仕事場だからとかではなく、プライベートでさえも、夜のアレコレの時でさえ副長なのだ。いや、まあ萌えるからいいけど、でも、いい加減名前で呼べやって思ったりもする。それになんで総悟は名前で呼んでるんだよ。

「おいジャイ子」

「うい?」

もうこの際言ってしまおう。
いい加減に名前で呼ばせる。鬼の副長だろ、しっかりしろ、俺。(別に彼女が怖いとかそんなんじゃねーよクソ)


「あのー…そのー」

「副長?なに?なに?」

「その…副長って、やめろよ」

「え?ついに総悟くんが!?」

「ちっげええよ!!!!!てめ、総悟が副長の座に就くことを望んでんのか!!!」

「えへ、冗談冗談〜」

「ごほん。でだな、いい加減、副長って呼ぶの、やめろよ」

「…ということは、名前で…?」

「お、おう…やっぱり、その、付き合ってるわけだしな」

「…いいの?」

「そりゃいいに決まってるだろ」

「だって…怒るかと思って」

「なんで怒るんだよ、むしろ嬉しいだろーが」

「名前で呼んでいいのは近藤さんだけじゃないの?」

「誰が決めたんだよそんなん、俺がいいって言ってんだからいいだろ」

「えっいいの?…嬉しい」

「…おう」

「でもまだ恥ずかしくて呼べないよう…」

だあああああああああああ可愛い!可愛い!コイツくっそ可愛い!
ぎゅ、と彼女を抱きしめ、ジャイ子、と呼べば、思いもよらぬ返事が返ってきた。


「だいすき、土方!」

「え?」




まだまだ名前で呼ばせるのは遠そうです。






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