ミルクティー

「早く髪染めたい!」

そう言う彼女の髪色を見れば、ダークブラウン
落ち着いた茶色がとても似合っている
ふわふわしていて、さわり心地も良い


「染め直しっスか?」


すると突然帽子をばっと勢いよく取られた
その目付きは真剣そのものでして。例えるなら、犬がエサを見付けた時のような感じっスかねえ。

そうしたらなまえさんは帽子をかぶりながら、珍しそうにアタシの髪に触ってきた


「これ、何色?」

「は?」


どうやらアタシの髪色が気になってたようだ
わしゃわしゃと彼女の細い手がアタシの髪を触る



「何色と言われましてもぉ」

「地毛なんでしょ、ほんと羨ましいんだから」


よいしょ、とアタシの膝の上に乗って、肩に顎を乗っける
なまえさんはこの体勢が好きみたいなんスけど、なかなか理性が、ね


帽子を取って、くしゃついたなまえさんの髪の毛を撫でる
なまえさんからはアタシと同じシャンプーの甘い匂いがした
このシャンプーは彼女が選んだものだ
彼女と"同じ"ことに意味があるから、アタシは何を使ってもいいのだが


嗚呼、この時間が幸せなんだ



「喜助さんの髪、ミルクティー色みたいだね」


ふにゃりと笑ってまたアタシの髪の毛をいじるのが余りにも可愛すぎて。
なまえさん、と名前を呼んで抱き寄せた






(私ね、喜助さんと同じ髪色にしたいの)
(えぇっ!照れますよぉ)