PM3:15

「やだっ見ないでっ…」

「なまえさん、見せてください…」


「〜〜嫌だってば!!」



そう言ってなかなか見せてくれないなまえさん

アタシはなまえさんの全てを見たいのに、



「はあ、なまえさんの素っぴんくらい見せてくださいよぉ」


今日は暖かな日曜日
冬も終わりに近付き、段々ゆるやかな陽射しが差してくるこの頃


ちょっとしたサプラ〜イズ♪でなまえさんの家に行ってみたら、
素っぴんで嫌だ嫌だ言ってなかなか入れてくれなかった

まあご近所さんの不審な目を避けるために中には入れてくれましたけど…



さっきからずっとタオルで顔を覆っているなまえさん


はあと溜め息をつけばゴニョゴニョと何かを話し出した



「喜助さんは、嫌いにならない?」


「はいな」



「素っぴんとお化粧してるときと全然違っても嫌いにならない?」


「もちろん」


「ほんと?」


「そんなんじゃ嫌いにならないっスよぉ」


そんなことを気にしていたのか、可愛いなあと思いながら優しく抱き締めた


「…笑わないでね」



目の前には、普段よりも幼い顔があった


綺麗な二重の線に、綺麗な肌



「全然変わんないじゃないっスか」


確かにお化粧をしている時は、大人っぽいしそれはそれで綺麗だ

だけど、素っぴんも同じくらい綺麗で
むしろ幼さが出て可愛くて

つい見つめてしまった



「やめて見ないでー!」


ぽすっとアタシの胸に抱き着くなまえさん
よしよしと頭を撫でてあげる


「全然綺麗っスよ、それに、幼さが出て可愛いじゃないっスか!」

「それがコンプレックスなのよ…」



どうやら童顔がコンプレックスらしい
なまえさんは恥ずかしさを埋めるようにむう、とまた強く抱き締める




「なまえさん、こっち向いて」

ゆっくりと視線が絡み合う
少しいつもと違う感覚


唇を重ね合わせるとちゅ、と音を立てた


「変わんないっスよ、全然。綺麗だ」


「やっぱり恥ずかしい…」そうしてまたアタシの胸に顔を埋めた





PM3:15