2cm

届きそうで届かない





「起きろっこのハゲっ!!」



ひよりサンに怒られる日々が続く


「もういい加減にしてくださいよ〜」


苦笑しながらボク達を宥めるなまえ

髪を一まとめにしてるのが綺麗で。
死神でいるのが勿体無いくらい

まあ、ボク達の癒しの存在でもあるんですけどね



でも彼女には素敵な彼氏さんがいるから
誰も、手を出してはいけない
暗黙の了解



「あ、隊長、今日早めに上がってもいいですか?」


遠慮がちに目を伏せながら聞いてきた。
左手の薬指にはめてある銀色の指輪をいじりながら



「あぁいいっスよ、気を付けてください」



そう 今日は彼女の彼氏さんの命日。



この日は必ずお墓参りをかかさない
そして知っている、次の日は涙で目が腫れている事を




「ありがとうございます」



そうふわりと笑って仕事に戻っていった






もどかしい



守ってあげたいのに
守れない悔しさ敵わないっスね、あの方には




届きそうで届かない



ボクたちの距離は2cmといったところだろうか