日常編 | ナノ

 跳ね馬との再会

ディーノはようやくツナに視線を向けた。そして「こりゃあダメだな!」と笑い出す。


「オーラがねぇ。面がまえが悪い。期待感もねぇ。覇気もねぇし幸もうすそーだ」

「足が短けぇ」

「ボスとしての資質ゼロだ」


ディーノがそう言い切ると、ロマーリオを始めとする部下の連中が一斉に笑い出す。
ツナは初対面でいきなりダメ出しされたことでか、頬が赤くなっていた。まあそりゃそうだろう。


「おいリボーン!なんなんだよこのヤバイ連中は!」

「ディーノはおまえの兄弟子だぞ」

『「は?」』


話を聞く限り、ディーノはリボーンにマフィアのボスに教育されたらしい。つまるところ、二人は師弟関係なのだ。おかげでディーノは今じゃ五千のファミリーを持つ一家の主なんだとか。


『てゆーか何それ!!あたし知らないんだけど!』

「言わねぇ方がいいって9代目がさ」

『何でだよ』


いらんことは教えるくせに重要なことだけ教えないって何で。意味わかんないんだけど!?


「えーっと…風香とディーノさんの関係って…」

『家族、かな。兄的存在』

「ディーノ、風香はボンゴレに入れるぞ」

『オイコラ待て』

「ああ、いいぜ」

『了承すんなコノヤロー』


何イイ笑顔浮かべてんだよ!何親指グッて立ててんだよ!ふざけんなよ!?


「え?もしかしてお前…」

『そうそう、あたしはマフィアになる気なんて…』

「キャバッローネに入りたいのか?」

『違うけど!?』


何勘違いしてんの!?何勘違いしてんの!?


『マフィアになる気なんてさらさら…』

「ま、キャバッローネはボンゴレと同盟結んでる事だしまた会えるって」

『話きいて。お願いだから話きいて!』


マフィアになることが確定してきてる!やめて!マジやめて!!


「そんなにボンゴレに入りたかったのか。お前なら大歓迎だぞ」

『歓迎されても困るんだけど!!』


何なの!?マフィアって人の話きかねーの!?


『待て待て待て待て。あたしはマフィアになる気なんてさらさらないっつってんだろーが。ねェツナ?』

「え、あ、そうです!誤解してるみたいですけど、僕はマフィアのボスになる気なんてサラサラなんです」


ツナがそう答えるとディーノは笑い出す。どうやら昔のディーノにそっくりらしい。


「オレも最初はマフィアのボスなんてクソくらえと思ったもんだ…。ハナからマフィアを目指す奴にロクな奴はいねー。お前は信用できる男だ」

「え。いや…でも僕は…!」

「一生やらねーっつーんなら」


ディーノはスッ…と懐に手を忍ばせる。そして…



「かむぞ」



エンツィオを取り出した。


『ツナ驚きすぎ…』

「しっ 仕方ないだろ!」

「こいつはカメのエンツィオっていって、リボーンにレオンくれって言ったらかわりにくれたんだ」

「(しるか!!!)」


和気あいあい(?)と話していると、部屋にランボとイーピンが入ってきた。ランボの手にはまたしても手榴弾が握られていた。手榴弾持ったまま追いかけっことか何それ恐ろしい!!
コードに足を引っかけたランボはこけて手榴弾を外に落とした。
………あれ、下にはディーノの部下がいるんじゃなかったっけ?



「てめーらふせろ!!」



いち早く気づいたディーノは窓から飛び降りる。そして愛用のムチで手榴弾をつかみ宙に投げた。

部下の人達はディーノのドッキリだと思っているらしく笑っていた。

prevnext

back