日常編 | ナノ

 似た者同士は集まりやすい

「お久しぶりです、若きボンゴレ」


煙の中から現れたのは──牛柄の洋服を着ていて胸元を少しはだけさせた、イケメンなオニーサンだった。


『……誰?』

「! そこにいるのは…若き風香さん!!」

『だから誰だよ』

「誰って…十年後のランボですよ」


思わず口がポカーンとなってしまったのは仕方ないと思う。


『ランボって…あのランボ?』

「十年前、泣き虫だったランボです」

『沢田ぁ!!どーいうことだコレェェェ!!』


そして沢田の胸ぐらをつかんでしまったのも仕方ないと思う。お前ランボの保護者的立ち位置なんだからなんか知ってんだろ!?


「うわわわ!!ちょ、日比野さん落ち着いて!」

『落ち着けるかァァ!!だってバズーカがランボで大人に…あれ、なんか文脈おかしくねェ!?』

「(日比野さんってこんなキャラだったのー!?)」

「落ち着いて下さい、若き風香さん」

『オメーは黙ってろ!』


「(ランボが殴られたー!しかも弱っ!一発KOー!?)」


『沢田!マフィアって何でもアリかよ!?なんでバズーカ…ってかランボは…あのクソムカつくガキはどこ行きやがった!?』

「オレが説明してやるぞ」


音もなく沢田の頭の上に乗ったリボーンはそう言った。


「ランボが持ってたあのバズーカは十年バズーカといってな、五分間だけ十年後の自分と入れ替われるんだぞ」

『何そのバズーカ!?』


羨ましいなオイ!!


『って、そんな事は今はどうでもいいんだよ!何でこんな騒ぎになってんの!?ヒバリ激おこだよ!激おこプンプン丸だよ!!』

「ヒバリさんが!?」

「激おこプンプン丸って…お前何アホなこと言ってやがんだ」

『おまっ…獄寺表出ろや』

「ここ表だけど」


あ。


『獄寺ぁぁ!お前ホントヒバリの事わかってねーのな!!』

「わかりたくもねーよ」

『あたしもだよ!!』


そう叫ぶと同時に、ポンッと音がしてランボが小さくなっていた。成程、ホントに五分で元に戻るのか。


「誰がわかりたくもないって?」

『!?』


この…声は…。


『ヒ…ヒバリ…』

「遅すぎるんだけど。書類溜まってるんだから早くしてよね」

『てゆーかあたし風紀委員じゃな…』

「………………」

『はいすみませんやらせていただきます!!』


無言の圧力恐い!!


「わかったならいいよ。それと沢田綱吉」

「はい!?」

「今は放課後だよ。帰ってくれる」

「は、はい!わかりました!!」


言うだけ言ってさっさと校舎に入っていくヒバリ。


『んじゃ、あたしも行くよ。沢田達も早く帰んなよ?ヒバリに咬み殺される前に』

「あ、あの!」

『ん?』

「沢田、じゃなくて綱吉っていうか…ツナって言ってもらえると嬉しいな…。その…友達になりたいな、なんて…」


マフィアと友達になれと?


『友達は無理かな、だってマフィアだし』

「いいじゃねーか、友達になってやっても」

『面倒事はゴメンなんだよ』


まあでも。


『よろしくしたくないけどこの赤ん坊に無理矢理関わらされそうだからよろしく』

「回りくどっ!!」





(ヒバリサン…)
(わー!?イーピンの箇子時限超爆がー!!)
(ピンズ…何?)
(イーピンから離れて風香!)
(なんかさりげなく呼び捨てにされなかった?あ、沢田…じゃない、ツナがイーピンを宙に投げた…)
(ふう…これで一安心だ…)

ドォォンッ…

(爆発した!?え、なんで!?マフィアって恐ろしい!!)

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