『土方さーん、総悟しらないー?』
「部屋なんじゃねーの?」
そっか、と言って副長室を出た。
『そーうーごー』
「何ですかィ」
せっかく気持ちよく寝てたのに、という総悟は本当に寝ていたようで、髪は少しだけボサボサだ。
『これ、あげる』
「は?」
押し付けるように無理矢理袋を持たせると、あたしは駆け足でその場を離れた。
部屋の中で総悟がうまい、と言いながら食べていたなんて、あたしは知るよしもなかった。
生まれてきてくれたことに
(感謝、なんて)
(そんなのガラじゃないから言わないけど)
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