『すっかり忘れてたわー、総悟の誕生日のこと』


でも仕方ないじゃん、総悟が仕事押し付けてくるんだもん。そのせいであたし三日間徹夜なんだぞ。
なんて、見廻りをしながらぶつくさと呟く。


『プレゼントくらい買っていってやろうかな…』


そういえば、最近できた団子屋が美味しいって誰かから聞いたっけ。
よし、お土産…じゃねーや、プレゼント買いにいくか。






『…………』


あたしってアレだよね、運悪すぎだよね。


「あ、風香アル!」

「こんにちは、風香さん」

「お、風香じゃねーか。もしかして奢ってくれんのか?」

『んなワケねーだろカス。冗談はその髪だけにしとけや』

「おまっ…天パバカにすんな!天パを笑う奴は天パに泣くんだぞ」


天パに泣くってなんだ。
えー…わかったと思うが、団子屋にいるのは万事屋三人。


『おじさーん、団子十本ー』

「あいよー!」


団子を頼み、届くまで待っていると視線を感じた。それは万事屋三人からだった。


「お前…」

『なに?』

「そんなに食ったら太るぞ」


殴っておいた。


「いてて…何すんだよ風香」

『そんなデリカシーのない発言はひかえろ。だからお前はモテないんだよ』

「そうアル。今の発言は全国の女を敵に回したネ」


ねー、と神楽と二人で顔を合わせる。


『あっ…と、そろそろ帰んなきゃさすがにまずいわ。そんじゃまたね』


ひらひらと手を振って別れた。


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