真選組の隊士になり、月日が幾日か過ぎたある日。その日は丁度非番だった。
『……あ』
そういえば、ヅラって誕生日今日だよね。
ふと思い出した旧友の生まれた日。今は敵となってしまったけれどやっぱりこういうのはちゃんとしたいよね。
思い立ったらなんとやら。あたしは着流しから私服に着替え屯所を出た。
『というワケでさー、ヅラの好きなモノって何?』
「ごめんわけわかんない」
ピンポーン、とチャイムを鳴らしたのは万事屋。出てきたのはいつもと違い銀時だった。
『だからさ、今日ヅラの誕生日じゃん?せっかくだからなんかあげようかなー、みたいな』
「エリザベスじゃね」
『それ以外だったら?』
「そば」
『やっぱり?』
うん、あたしも思ったよそれ。でもなんか味気ないじゃん?だからさ、ホラ、ね?
「つーかお前客なのに態度でかくね。俺家主なんだけど。万事屋入ることまだ許可してねーんだけど」
『気にすんなよ』
「いや気にするだろーよ!」
アホかお前は、と頭を叩かれた。クソ、痛いじゃないかコノヤロウ。
『まあ作ってきたんだけどね、そば』
「作ってきたのかよ!!」
盛大にツッコまれた。いやだからなんで頭叩くの。つーか叩くっつーより殴るの方が正しい気がする。なんたってグーだもん。痛いよ。
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