自己紹介とは危険なものである、たぶん
「日比野君、君が言っている『真選組』の話を聞きたいのだがいいかね?」
『構いませんよ、どんどん質問してください』
「じゃあ、君のいる真選組の局長ってどんな人?」
最初に質問してきたのは言わずもかな沖田さん。どんだけ近藤さんの事好きなのこの人。
『え?ゴリラ』
チャキ、と首筋に刃を当てられた。峰ではない。危ないぞコレ。ヤバいぞコレ。
「ごりらが何なのかは知らないけど、近藤さんを馬鹿にしたのなら許さないよ」
『冗談ですよ、もう。だから鞘におさめて。ね?』
ヤベェ、沖田(コイツ)に冗談通じねェ。
『優しい人だよ。あたしに居場所を与えてくれた人』
「…ふーん(こんな優しそうな顔もするんだ)」
次の質問は藤堂さんからで、真選組メンバーの名前を教えて欲しいとのことだ。
局長は近藤勲。
副長は土方十四郎。
一番隊隊長は沖田総悟。
「主要な人物はこの三人かな」
他にも二番隊隊長の永倉新七。三番隊隊長の斉藤終。八番隊隊長の藤堂凹助。十番隊隊長の原田右之助。
『名前…似てるね』
今思ったよ。
(ところでさ、なんで新八さんの名前聞いた時あんな奇声あげたの?)
(奇声!?……まぁ…知り合いに同じ『新八』っているんだけどさ、全然似てなくてびっくりしたからだよ)
(ふーん。どのくらい似てないの?)
(月とすっぽんくらい)
(そんなに?)
(うん)
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