銀色ジャスティス | ナノ


▼ どこの母ちゃんも大体同じ

『オーイ銀時。おは……お邪魔しました』

「待て待て。お前は何か勘違いをしてる」

『ちょ 、触んないでよ汚らわしい』

「誤解だ誤解!」

『触んなクソ天パ』

「だから誤解だっつってんだろーが!!」





第五十九訓
どこの母ちゃんも大体同じ





今日が非番であるあたしは天気もいいことだし万事屋に行こうかなと思った。どうせ朝食もロクなモン食べてないだろうし(食べてたとしても卵かけご飯とかそんなん)、チャーハンの握り飯を持って万事屋に向かった。
ところがなんとびっくり、万事屋の机には朝食が並んでいたのだ。作ったのはあたしの知らないおばさん。


『銀時…あたしの知らない所で好みが変わったんだねェ』

「違ェって!」

『まさか人妻が好きだなんて…ヅラと話合うんじゃないの?』

「だーから違ェって言ってんだろ!!」


銀時はあたしの肩を掴み触ってきた。



─ドゴッ



『どうだか。鼻血なんて垂らしていやらしい』

「お前が殴ったからだろ!?」

「夫婦漫才はいいから早く話すすめるネ」

『「誰と誰が夫婦だって!?」』

「お前ら二人以外に誰がいるアルか」


いくら神楽でもその発言は許さないよ!?
なんて思っていたらおばさんに話しかけられた。


「ホラ、アンタも座って!早く食べて!」

『いや食べてきたんで』

「何言ってんのアンタそんな細っこい身体してェ!仕事何やってんの!」

『いやなんで見知らぬ他人にそんな事言わなきゃならないの。三食きちんと食べてるし警察だし』

「嘘つくんじゃないの!アンタはもうホント人のアゲ足ばっかりとってェェェ!!」


いや嘘じゃないし。

おばさんはゴミ捨ててくると言って外に出た。


「銀さん」

「あ」

「誰ですか、アレ」

「アレだろ、母ちゃんだろ」

「え、銀さんの?」

「いやいや、俺家族いねーから。オメーのだろ。スイマセンね、なんか」

「言っとくけど僕も母さんは物心つく前に死にました。神楽ちゃんでしょ?」

「私のマミーもっとべっぴんアル。それに今は星になったヨ。風香のでしょ?」

『いんや。あたしも銀時と同じで家族いないから』


なんて会話をしていたら外に出ていたはずのおばさんが「もの食べながらしゃべるんじゃないの!」と怒って中に入ってきた。二十回かんでからのみこみな!とおばさんは言いまた外に出た。
あたし達は律儀にも「1 2 3 4…」と数えながらのみこむのであった。

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