銀色ジャスティス | ナノ


▼ 一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん

ある日の昼下がり。近藤さんと土方さんは二人肩を並べて新聞を読んでいた。


「ヘェ〜、寺門通レコード大賞で新人賞受賞か〜。スゲーな」

「違う違う。その上の記事」

「ヘェ〜、連続婦女誘拐。またも犠牲者。恐えーな。でもお妙さんは絶対大丈夫だよな〜」

「違う違う。その右の記事」

「ヘェ〜、総悟がまたやったか〜。責任はお前がとってくれよな〜」

「違う違う。アンタのせい」


冷や汗をかく二人。
新聞には“お手柄!?真選組またやった!!”という見出しとバズーカを抱えてピースをしている総悟、そして半壊した店の写真が載っていた。



***



「犯罪というものは心のスキから生まれるものでございます!!これは罪を犯す側、そしてその被害に遭う側両方に言えることではないでしょうか」


マイクを片手に江戸の町で演説をする近藤さん。だがしかし誰もきいてない。わかって近藤さん、アナタの話は長くてつまらない。


「みなさんの協力なくして私達だけで江戸の平和護るなんて到底無理な話です!いいですかァ!!浮かれちゃうこんな時期こそ戸締まり用心テロ用心!!ハイ!!」


マイクを町民に向けるがボソボソと雑音だけできこえない。


「あれれ〜、みんな元気がないぞォ。ホラ、もっと大きな声で。
浮かれちゃうこんな時期こそ戸締まり用心火の用じん臓売らんかィクソッタっりゃああ!!」


「「「じん臓売らんかィクソッタっりゃああ!!」」」


しかし今人気急上昇中のアイドルには反応する。
なるほど、これが超人気アイドルとゴリラの差か。


「こんにちは〜。真選組一日局長を務めさせて頂くことになりました、寺門通で〜す!」

『…いたっ。え、なに?あたしもあいさつすんの?マジで?だってみんな知ってるんじゃ…痛いってば、殴らないでよ。わかったわかった、あいさつすればいいんでしょ。
えーと…真選組零番隊隊長の日比野風香でーす』


後ろで土方さんがよくやったなみたいに頷いてるけどさ、そんな頭何回も叩かなくてもよくない?


「みんなァ〜 正月だからって浮かれてちゃダメだぞーさんのウンコメッさデカイ!」

「「「メッさデカイ!!」」」

「今日はお通が全力で江戸の平和を護ってみせるから、みんな手伝ってねこのウンコメッさくさい!
それじゃ一曲きいてください!『ポリ公なんざクソくらえ!!』」


お通ちゃんの曲が始まり、周りは一気に盛り上がる。


「…トシ、やっぱ呼んでよかったなポリタン」

「…んなワケねーだろッキーV炎の友情」





第五十七訓
一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん





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