▼ バカとワルは高い所がお好き
無事部屋から脱出できたはいいものの。
『なんでこう立て続けに爆発してるわけ!?』
危ないじゃんか!さっきなんてバランスくずしてドアの取っ手に頭ぶつけたんだかんね!地味に痛いぞコノヤロー。
さっきの爆発音は向こうからきこえた。のでそちら側に歩みを進めると見慣れたチャイナ服が見えた。オイオイマジかよなんでここにいるの。
発砲していたのは穏健派の攘夷浪士だった。話の内容は、ヅラを殺したのは晋助だの自分らはもう仲間じゃないだのなんだのだった。
「ハイきけェェェェ!!お前ら」
どうやって神楽を助けようかと悩んでいるとまた子が穏健派の連中に向かって叫んでいた。
「お前らの目的は読めたァァ!この娘っスね!!なんやかんやでこの娘を助けたいのは痛い程わかってるっス!そんなにバンバン撃って当たっても知ら…」
容赦なく撃った。
「武市先輩ィィィィ!話が違うじゃないっスかァァ!!」
「予想が外れましたね。まァ砲弾も外れたからよしとしましょう」
「外れてるのはアンタの頭のネジっスよォォ!!」
「ブハハハハ バッカじゃねーの!!私あんな連中となんにも関係ないもんネ!!勘違いしてやんの〜!ププッ 恥ずかしい」
「何浮かれてんの!?お前が一番危機的状況なんだよ!」
神楽は手枷をつけられ丸太に張りつけられていた。逃げるに逃げられない状況なのだ。
連中はまた大砲を撃ってきた。こりないなぁと思っていたらまた子達は神楽を置いて逃げた。なんて薄情な。しかし今あたしが走ったところで間に合わない。さよなら神楽。来世でまた会えたらいいね。
そう思った時、誰かが神楽を助けた。
「お待たせ、神楽ちゃん」
「しっ…新八ィィ!!」
これぞ感動の再会ってやつ?
第五十訓
バカとワルは高い所がお好き
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