銀色ジャスティス | ナノ


▼ カワイイを連発する自分自身をカワイイと思ってんだろ、お前ら

『………オーイ』

「モノ隠したのどこかぐらい自分で覚えておこーや」


頭に転生郷がテープで貼ってあった。


「…太助、アンタ…組織から麻薬クスリ持ち出してきたんだね。どーして。もう麻薬クスリと関わるのはやめようって言ったじゃん!一緒にまっとうに生きようって言ったじゃん!」

「太助…取り引きといこうか?」


天人がハム子の首に鎌を添える。


「コイツとオメーの盗んだブツ交換だ…。今渡せばお前も許してやるよ…」

「言うこときいちゃダメ、殺されるわよ!私なんて構わずに早く逃げて…って即決かいィィィ!!逃げ足はやっ!!」


自分の彼女には目もくれず、太助は一目散に逃げ出した。


「その女なら好きなよーにしてくれていーぜ!あばよ公子!お前とはお別れだ!!金もってるみてーだから付き合ってやってたけど、そうじゃなけりゃお前みたいなブタ女ゴメンだよ!」

『お前も似たようなモンだろが…』

「世の中結局金なんだよ…まっとうに貧乏くさく生きるなんてバカげてるぜ!」

『逃がすかコンニャロー!!』


鞘を太助に投げつける。おっ ナイスコントロール!鞘は太助の頭に丁度当たった。太助は気を失ったザマーミロ。


『ハム子はアンタを大事に思ってた。なのにアンタはその気持ちを無下にした。ホントありえないわマジありえないわ。人間のクズだなお前ホント』

「人間食い物にする天人…それに甘んじ尻尾ふって奴らの残骸にがっつく人間ども…」

『ブタはテメーらの方だよ。薄汚いブタ守るなんてあたしは御免だよ』


太助に近づき、転生郷をはがす。


「てめーら、敵なのか味方なのかどっちだ!?」

『どっちでもないよ(少なくとも今はな)』

「それよりホラ コレ。こいつとそのブサイク交換しよーぜ」

「…………お前から渡せ」


しょうがないなー、とあたしは転生郷を投げる。


『なーにびびってんだか』

「「「あ゙!!」」」

「アイツ投げやがった!」

「オイ誰かとれ!」


けれど投げた先には新八がいて。転生郷の入った袋を木刀で破った。転生郷は宙に散らばった。


「あぁー、大切な転生郷がー!!お前ら拾え拾えー!アイツ何してくれてんだー!!」

「そういやあの女もいねーぞ!!」



***



「マジありえないんですけど。太助助けてくれって言ったのに何でこんなことになるわけ〜?」

「ありえねーのはお前だろ、どーすんだソレ」

『言っとくけどそれは焼いても食べらんないからね』

「お前ら最後までそれか」


夕暮れ時の橋の上。あたし達は以来主と別れる準備をしていた。ちなみに太助は未だに気絶していて、ハム子におぶってもらっている。


「コイツ逃すと彼氏なんて一生できなさそーだからか?」

『世の中には奇跡ってのがあるんだよ』

「そんな哀れみに満ちた奇跡はいらねー。こんなヤツに付き合えるの、私くらいしかいないでしょ…」

『そーかもね。ま ハム子はともかく彼氏の方は屯所で事情聴取させてもらうよ、メッキリと』

「風香さん、なんか擬音が怪しいんですけど」


気にしたら負けだよ、ぱっつぁん。


『ホラ歩いてー』


二人を屯所まで連れていく。


「何なんだありゃあ」

「恋人というより親子ですね」

「あんな母親、俺ならグレるね」







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