▼ カワイイを連発する自分自身をカワイイと思ってんだろ、お前ら
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『うっわー、いかにもヤクの売買がありそーな場所』
ハム子に連れられ着いた場所。それはホントに悪人が出そうな場所だった。こーゆーとこの見廻りもするべきなのかもなー。
なんて思っていると聞こえてくる悲鳴。目を向けると天人がしゃがみこんでる男に鎌を振り上げていた。
―ガシン
銀時が鎌を振り上げていた男を木刀で殴った。
ちなみにあたし達はコンテナの上にいた。身を隠すのにうってつけだしね。まあそれは置いといて、腰に縄を巻き付けた銀時が下に降りたのだ。
「なっ…なんだテメー!?」
「なんだチミはってか?そーです私が…」
―ゴッ
「太助ェェ!!」
「公子ォォ!!」
ハム子が銀時の上に降りた。ちょっとォォ 何してんだクソ女ァ!!
「もう大丈夫よ、万事屋つれてきたから。アイツら金払えば何でもやってくれんの!」
「何でもやるっつーかもう何にもやれそーにねーぞ。大丈夫なのか?」
大丈夫じゃないよ!白目剥いてるよ!
「…う…う メス豚が邪魔しやがって。オイ作戦変更だ。連中を残して戦線離脱するぞ!」
『「あいあいさ〜」』
起きた銀時はあたし達にそう指示する。あたしと神楽と新八はコンテナの上から縄を引っ張る。
「!! あっ!!てめェ何一人で逃げてんの!?」
「悪いが豚二匹しょって逃げる作戦なんざ用意しちゃいねェ。ハム子、てめーが勝手なマネするからだ!」
「ふざけんな!!パフェ何杯食わせてやったと思ってんだよ!!キッチリ働けや!!」
ハム子と太助が銀時の両足に飛び付く。上からも下からも引っ張られれば腹に巻き付いている縄は必然的に食い込むワケで。
「うごっ!!はっ…腹がしめつけられ…ぐふっ。やばいってコレ!出るって!なんか内蔵的なものが出るって!!」
『…え?内蔵的なもの?』
「いやだヨそんな銀ちゃん!四六時中そんなの出てたら気を使うヨ!!関係ギクシャクしてしまうヨ!!」
「出るわけねーだろそんなもん!」
想像したらグロいよね。
「新八 風香、縄お願いアル」
「あっ ちょっと!!」
神楽は銀時のところまで降り、ハム子の顔を踏みつける。
「ハム子ォォォ!!」
「!」
「銀ちゃんから手を離すヨロシ!このままでは銀ちゃんの内蔵がァァァ!!」
「ちょっ…何すんの。マジムカつくんだけどこの小娘!!」
縄ァァァ 重いぃぃぃ!!
「っていうかテメーも降り…あ゙っ!!出たァァ!!ケツからなんか出たぞコレ!新八ィ!!見てくれコレ。なんか出てない?俺?」
「知るかっつーの!」
「風香ァ!!新八の代わりに見てくれェェ!!」
『死ねお前マジで!うわぁぁ、ダメだこれ!無理!』
あたしと新八が頑張って引っ張っていたけど、やはり限界というものがあって。計四人(うち二人は豚並みの体重)の支えるのは無理だったようだ。あたし達は縄から手を離してしまった。
『ッチ、ハム子のせいで作戦が台無しじゃねーか。新八、アンタはここにいて』
「あっ ちょっ…!!」
言うだけ言ってあたしはコンテナから飛び降りた。
「ケッ 結局俺達ゃこいつが一番向いてるらしーな。ついてこいてめーら。強行突破だァァ!!」
『オラどけとけどけェェ!!』
銀時は木刀で、あたしは刀で、神楽は番傘で天人をなぎ倒していく。
「おお、アンタやればできるじゃん!!ヤベッ 惚れそっ」
「俺は黒髪ちゃんに惚れそっ!!」
やめてください切実に。
『それよりコレ何!?どーゆーこと!?』
「たかがチンピラ一人の送別会にしちゃエライ豪勢じゃねーか!?どーにもキナ臭せーな、その陰毛頭!」
「なに?太助がよからぬことでもやってるって言うワケ?」
「ふざけんな!俺は公子とまっとうに生きていくと決めたんだ!もうあんな白い粉とは一切関わらねェ!!それから俺は陰毛頭じゃねェ!コレはオシャレカツラだ!なめんなよ!!」
銀時の言葉が癪に障ったのか、太助がカツラを外す。
そこには…。
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