▼ 酔ってなくても酔ったふりして上司のヅラ取れ
近藤さんとお妙がジャンケンをする。近藤さんがグーでお妙がパーだ。近藤さんはハンマーが振りおろされる前にヘルメットをかぶった。だが。
「天魔外道皆仏性四魔三障成道来魔界仏同如理一相平等…」
お妙は呪文みたいなのをぶつぶつ呟くと、ヘルメットをかぶった近藤さんにハンマーを振りあげる。そして…ヘルメットが粉砕した。皆の心が一致した。
……ルール、関係ねーじゃん。
「局長ォォォォォォォ」
「てめェ何しやがんだクソ女ァァ!!」
隊士逹がお妙をまくしたてるが、
「あ゙〜〜〜〜〜〜〜〜 やんのかコラ」
『「「すんませんでした」」』
お妙の眼力に敵う者はおらず、土方さんや銀時はおろかあのドSの総悟でさえも土下座した。もちろんあたしも。
新八はこの状況に慣れてしまったと言う。いやいやこれは慣れちゃいけないと思うよ、うん。
『あちゃー、こりゃ戦うことはおろか意識を取り戻すのに時間がかかるよ。つーことで一戦目は無効試合ね。二戦目の奴は最低限のルールを守ってがんばってー』
「ちょ、俺らの仕事とらないでくださいよ風香さん!」
『うっせ』
こちとら暇なんじゃボケ。
『あ、もう始まってんじゃん二戦目』
総悟と神楽は…なんか凄かった。速かった。あまりの速さに二人ともメットとハンマーを持ったままのよーに見える。
「ホゥ。総悟と互角にやりあうたァ何者だ、あの娘?奴ァ頭は空だが腕は真選組でも最強をうたわれる男だぜ…」
「互角だァ?ウチの神楽にヒトが勝てると思ってんの?奴はなァ 絶滅寸前の最強種族夜兎≠ネんだぜ、スゴイんだぜ〜」
「なんだと、ウチの総悟なんかなァ…」
ダサいんだけど。オレの父ちゃんパイロットって言ってる子供なみにダサいんだけど。やめてなんか恥ずかしくなってくる。
「よし、次はテキーラだ!!」
「上等だ!!」
何か勝手に飲み比べ対決始めたんだけど。
チラリと総悟と神楽の対決を見る。するとどうだろう、二人ともメットをつけしかもハンマーなしでジャンケンをしていなかった。
つまり、ただの殴り合いだ。
だからルール守れっつってんだろーが!!
「しょーがない、最後の対決で決めるしかない。銀さっ…」
二人そろって吐いていた。
あたしと新八は思わずズッコケる。
『何してんのアンタらァァァ!!このままじゃ決着つかないんだけど!!』
「心配すんじゃねーよ、俺ァまだまだやれる。シロクロはっきりつけよーじゃねーか」
銀時…アンタもうベロベロじゃん。アンタが酒弱いのはあたしがよくわかってるから。昔酔ったアンタの世話したの誰だと思ってんの。
「このまま普通にやってもたなたまらねー。ここはどーだ、真剣で斬ってかわしてジャンケンポン≠ノしねーか!?」
「上等だコラ」
「おまけさっきから『上等だ』しか言ってねーぞ。俺が言うのもなんだけど大丈夫か!?」
「上等だコラ」
大丈夫じゃねーな、これ。
「いくぜ。斬ってかわして」
「ジャンケン」
「「ポン!!」」
土方さんがパー、銀時がチョキを出した。
「とったァァァァ!!」
銀時が木刀を振りかざす。
あたし逹は唖然とした。なぜなら、銀時が斬ったのは、
「心配するな、峰打ちだ。まァこれに懲りたらもう俺にからむなは止めるこったな」
桜の木。
土方さんが話しかけているのは、
「てめェ さっきからグーしか出してねーじゃねーか。ナメてんのか!!」
定春だった。
土方さんなんかに付き合わされてる定春可哀想…。
「お前らなんかアレだぞ、風香手に入れたからって調子こいてんじゃねーぞコラ」
「ああ?てめェこそ幼なじみだかなんだか知らねーが口出しすんな。アイツは俺らんだ」
「…だと?ふざけんな、アイツは…風香は俺のモンだ」
酔った二人がなんかスゲエ話ししてるけどまァほっとこう。どーせ酔った勢いってヤツだろーから。
『楽しいな』
こうして大勢で花見ができるなんて。
やっぱり花見は大勢でやるもんだね。すごく楽しかったなと思いました。アレ、作文?
完
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