▼ あたしと非番と万事屋と
ソファに座り、メガネ君が出してくれたお茶を飲む。美味しいな、コレ。
「で。何しにきた、風香?」
『この前ケガしたでしょ?その謝罪と、銀時の新しい家族にあいさつしに』
そーかぃ、と銀時は呟いた。
『改めまして、真選組零番隊隊長 日比野風香です。よろしくどーぞ』
「私は神楽アル。かぶき町の女王とは私のことネ!」
「僕は志村新八です。ちなみにこの前会った志村妙の弟です」
『え』
マジでかァァァ!!
え、え、全然似てないぞ!?天と地ほどの差があるよ!?ちょ、びっくりしすぎて口から魂出そう。
「ちょっとォォ!!全部口から出てるんですけど!!」
『いっけね』
てへぺろ☆とやったら銀時が顔を真っ青にして口を押さえた。なんだコノヤロ、そんなに気持ち悪いってか?ブチ殺したろか、あん?
『銀時、コレあげるよ』
「は?ってコレ金!?」
『黙って受け取れ天パ』
「いやいやいやいや!受け取れねーよ!つーか何で金?」
『医療費!……ホントは、ちょっと心配したんだから』
恥ずかしくてプイッと顔を背ける。
「そーか。ありがとな」
『っ!』
銀時の笑顔を見て、ボボボッと瞬時に顔が赤くなるのがわかった。
「顔あけーぞ、大丈夫か?」
『あ゙っ!?平気に決まってんだろバカ!』
「本当に大丈夫か、風香!?」
いつの間に現れたんだ、コイツ。
「ってなんで俺んちに来てんだよ、ヅラ!」
「ヅラじゃない桂だ」
「いいからお前出てけ」
「風香にようやく会えたのだぞ?出ていくワケあるまい!」
ハーッハッハッ!と高らかに笑うヅラに銀時が殺意を覚えたのは、言うまでもない。
「あっ 風香!!会いたかったぞ!」
─ガチャンッ
「………へ?」
「ヅラ、手を拘束されちゃったアル」
「自業自得だろ」
「いいんですか、銀さん。桂さんは銀さんの幼馴染みなんでしょ?」
銀時の言う通りさ。自業自得だよ。
『お前は攘夷志士だろーが』
「……………あ」
何コイツ。自分が攘夷かかげてるって忘れてたの?
「だってだって風香に会うの久々なんだもんっ」
『何だよ「なんだもんっ」って。原作のキャラ壊してんじゃねーよ』
「風香って銀ちゃんやヅラとどーいう関係アルか?」
『「「幼馴染み兼仲間」」』
あたし達の声が重なった。
なんだ、この二人もまだ仲間だと思ってくれているのか。
「…は?仲間?銀さんはともかく、風香さんと桂さんは真選組と攘夷志士――つまり敵同士じゃないですか!」
『あー…』
面倒臭い事になった、と頭をかきながら思う。
『大まかに説明するから土方さん達には内緒ね?』
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