▼ どこの母ちゃんも大体同じ
「すいません、田舎者なんで勘弁してください。ちょっ 忙しいんで俺達はこれで」
『ちょっといい加減にしてよ。アレはね、今江戸で流行ってる足の短さをごまかすファッショ…』
「オメーが一番失礼なんだよ!!」
あれおかしいな、小声で言ったはずなのになんで聞こえてるんだ?
「コルァァ待てや!!マジなめてっとババアだろーと女だろーと容赦しねーっ…」
飛び蹴りをしようとする二人のチャラ男。
しかし銀時はそいつらのズボンを掴む。
「オイ。忙しいっつったのきこえなかったか坊主ども。なァオイ 足袋でも袴でもルーズにキメんのは結構ですけどね、ババアと女に手ェあげるたァどういう了見だィお兄ちゃん達」
『足袋はルーズでもさァ、人の道理はキッチリしなさいよ!!』
「「ぎゃあああ!!」」
あたしはそいつらを回し蹴りし、銀時はそのまま二人を地面に叩きつけた。
「オラァァァ ズボンをあげろォォ!ボケがァァァ!」
『お前髪の毛どうしたァァ!黒か!?金か!?んな中途半端な髪色してんじゃねェェ!!』
「足袋をあげろォォ!哀川翔を見習えェェ!!デットオアアライブの時のォォ!!こんなんだったぞォォ!!」
チャラ男とギャルに説教をするあたし達。そして近づいてくる二人の男。
「そのへんにしておきたまえよ!」
「!!」
「勘吉、こんな所で何をやっているんだ君は」
「!! きっ…狂死郎さん!!」
狂死郎と呼ばれた派手な着物を着た男の後ろにいたのはデカアフロ八郎だった。
八郎がこっちに近づいてきてるなー、なんて思っていたら勘吉が八郎に蹴り飛ばされていた。
「このボケがぁぁぁぁ!!」
「ぐふぅ!!」
「下っぱとはいえウチの店に勤めてるモンが狂死郎さんの顔に泥をぬるようなマネしやがってェ!!
てめーはクビだ。二度とこのかぶき町に足ふみいれるんじゃねェ」
え?何?どーいうこと。
頭に疑問符を浮かべていると女の子の会話が耳に入ってきた。派手な着物の男の名前は本城狂死郎で、かぶき町No1ホストだとかなんとか。
…ホスト?アレ…ホストってなんだっけ。
「なんだィアレ?銀さん 風香さん、ポストってなんだィねェ…ちょっと」
『アレだよ、ホステスの男バージョン。選ばれたイケメンのみがなれ…』
…ホスト?アレ…ホストってなんだっけ。
選ばれたイケメ…アレ?ホスト?
ホスト!?
『「ホストぉぉぉ!?」』
思わず大声をあげるあたしと銀時。
野次馬の中に新八と神楽がいて二人が肯定するようにコクコクとつ頷いていて…これは夢じゃないんだと思い知らされた。
「ウチのモンが迷惑かけて大変申し訳ない。おケガありませんか?」
「ああ。平気だよ、こんなモン」
「ぜひお詫びがしたいのでウチの店へきてくださあませんか?」
店?と首を傾げるあたし達に八郎はこう言った。
「俺達の城“高天原”へ」
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