銀色ジャスティス | ナノ


▼ 僕が僕であるために

「『釈放の件については今上とかけ合っている。だが時間がかかりそうだ。しばし待たれよ』と書いてあります」

「フン 奴等の言う事を信じろと?」






「『証拠が欲しい。お前達が我等の忠実な犬になっまという証拠が。三回回ってワンと言え』と書いてありますぜ」

「あの野郎共ォ」

「(土方限定)と書いています」

「ウソつけェェ!!お前明らかに今つけたしたろ!!」

「しょうがねーよトシ。お通ちゃんのためだ」

「ウン、しょうがねーよトシ」

「オメーにトシとか言われたくねーんだけど!!」

『これは土方さんにしかできないんだよ!』

「…………」


そして土方さんは…



─シュルルルル



「わん」


〈あ゙あ゙あ゙っとやりましたァァ!!あの鬼の副長と恐れられる土方十四郎が!〉

〈これは屈辱!ちょっとカッコよくやろうとしたあたりが余計に恥ずかしい!〉

『ブフォッッ』


周りは大爆笑。


「土方さん、間違えました。『腹が減ったからカレーを用意しろ』の間違いでした」

「どんな間違いだァァァァ!!」



♪ ピロリ〜ン



『総悟バッチリだよ。ちゃんと撮れたよ、動画』

「ナイスでさァ」

「テメーらァァァァァ!!」


イエーイ、とハイタッチを交わすあたし達を追いかける土方さん。
そしてカレーを作る隊士達。


〈これは何という光景でありましょうか!攘夷浪士達から恐れられるあの真選組がカレー作り!〉

〈完全にテロリストの言いなりです!〉


次の指示。


『「ロボットダンスをやれ」だって』

「(沖田限定)だと」

「マジですかィ、仕方ねェ。

ロケットパーンチ!!」

「ぶふォ!!」

『あっちゃー…今完全にアゴ入ったよ』

「ダンスって言ってんだろーが!それ必殺技じゃねーか!」

「ロケットパンチから入るダンスなんでさァ」

「なんかうめーし。何コイツ!?弱点ナシか!」


次の指示。


『「ものまねをやれ」。限定ナシ』

「仕方ねェ、ここは俺がやろう。

沖田のマネ!!」

「エビのマネ!」


総悟のマネ…ロケットパンチを繰り出す土方さん。しかしそれをさけた総悟はエビのマネもといバックドロップをかました。


「…オイ…お前さ…マジちょっと頼むから一発だけ殴らせてくんない?痛くしないから。頼むから」

「いやでィ」

「ふざけろクソガキ!」


仲間割れが始まった。あーあ、マスコミにもはや見る影なしなんて言われてるよ。まあ否定はしないけど。
あたしは近藤さんと一緒にカレーの国に逃げた。


「まこっちゃん、もう帰っていいよ。あとは俺達でなんとかするから」

「そうもいかねー。イメージマスコットだから、俺はお前らの。お通ちゃんには前払いで金もらってるからきっちりやらねーと」

『イメージマスコットって何?あたし達ってそーいうイメージなの?』

「こーいうカンジだろ」

「どーいうカンジだ」

「バカで物騒で江戸の平和を護るカンジ」

『バカなカンジしか出てないんだけど』


まこっちゃんは立ち上がり、それを見たあたしも立ち上がる。
その手にはカレーを乗せて。


「さて行くか」

『カレー用意して』

「オイ、どこに行く。まこっちゃん 風香ちゃん」

「言ったろ。まこっちゃんはお前らのイメージマスコットだ。バカで物騒で江戸の平和を護る」

『そーいうこと。行ってくるね、近藤さん』

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