▼ 僕が僕であるために
天狗党と呼ばれる攘夷浪士。ここ最近起きた一連の婦女誘拐事件は奴らの犯行なんだとか。
異菩寺に立てこもる連中の要求は、あたし達が逮捕した仲間の解放と真選組の解散。
これらの要求が通らない場合は人質を全員殺害すると言う。
ようやく現場に到着したあたし達。
そこにはマスコミという名の野次馬がわんさかいた。そしてマイクを向けられ答えるのは誠ちゃん。
「やっちゃったなーオイ…やっちゃったよ〜。まさか逮捕されちゃうとは思わないものな〜」
〈あっ!!あなたは誰ですか?真選組とはどのような関係で!?〉
「不当逮捕以外の何ものでもないものな〜」
〈不当逮捕!?真選組にですか!?何があったか詳しくおきかせ願えませんか!〉
〈あっ オイ!後ろでも女の子がしっ…死んでるぞコレェェ!!何があったんですか!!〉
「とり調べというより拷問だったものな〜」
「話をややこしくするんじゃねェ!!」
土方さんが誠ちゃんに飛び蹴りを食らわせる。
「いい加減にしろよテメェーら!元はといえばテメーらが出てこなきゃこんな事態には!」
〈見ましたか今のを!まるでチンピラです〉
『落ち着いて土方さん!ここにマスコミいっぱいいるから!真選組がチンピラみたいだって全国に報道されちゃうから!』
「トシぃぃぃ、もうやめてェェ!これ以上評判が落ちたら俺達もう…」
こんなにマスコミがいたんじゃ下手な真似はできない。奴ら…徹底的にあたし達をおとしめる腹づもりだね。
「みんなァ!!」
「クク、来たか真選組!解散の手続きは済ませてきたんだろうな」
『え?何て言ったの、今』
「すいまっせーん!もっかい大きい声でお願いします!」
take2
「みんなァ!!」
「クク、来たか真選組!解散の手続きは…って二回も言わせるな!なんか恥ずかしーだろが!!」
【きこえづらいんで筆記でお願いします】
【同胞の釈放の件はちゃんと話をすすめているんだろうな。要求が通らない場合、人質の命はない】
「いいか、できるだけ時間を稼ぐんだ。二番隊、三番隊はこのスキに裏に回れ」
【字が小さくて読めません】
「貴様らァ、ナメているのかァ!!」
『きこえないフリ、きこえないフリ』
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