銀色ジャスティス | ナノ


▼ 一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん

「ぎゃあああああ!!まこっちゃんがァァァ!まこっちゃんの中にもう一人のまこっちゃんがァァ!!」


上半身がいないと思いあたりを見回すと居酒屋にいた。


「やっちゃったなー、オイ…やっちゃったよ〜。完全に猪かと思ったものな〜。やっちゃったな〜」

「旦那、何があったかはしらねーがやっちゃったもんは仕方ねーよ。飲んで忘れちまいな」

「俺もさァ、反射的に矢を射ってしまったものな〜。やっちゃったな〜、オイ」

「やっちゃったじゃねェェェェ!!」


居酒屋の旦那と話をする誠ちゃん(上半身)の頭に蹴りを入れる土方さん。


「お前何してんのォ!?マスコットだろ。なんでマスコットがこんな所で飲んだくれてんだよ」

「やっちゃったな〜。まさかあんな森の奥で人間が出てくるとは思わないものな〜」

「オイぃぃぃ!!なんか恐ろしげな事件の全貌が露に…」


お通が誠ちゃん(上半身)を呼ぶ。どうやら寺子屋の集団下校の子供達がいるらしい。


「チャンスだよ!子供は純粋だからイメージを植えつけやすい!しかも親の耳に伝わればあっという間に評判が上がる!子供といえばカワイイもの…誠ちゃんの出番よ!!」

「待てェェェ!!お前そいつがどれだけ重たい過去を背負ってるかわかってるのかァァァ!!」


誠ちゃんは居酒屋を出てダッシュで着ぐるみ(下半身)に入る。しかし勢い余って顔から突っ込んでしまった。


『逆っ!まこっちゃんそれ逆ぅぅ!!完全にただの化け物じゃないの!!』

「あっ あぶない!前!そのまま前!」

「あっ ヤバイ!死体おちた!」

『いい!死体はそのままでいい!置いてって、余計に恐くなるだけだから!!』


死体が走りだした。


「死体はいいっていってんだろーがァァァァ!!」


子供達の前にまこっちゃんと死体は現れる。何ともシュールな光景だ。
ぎゃあああああ!!と叫びながら子供達は逃げる。
コレはアレだ、間違いなくイメージアップどころかイメージダウンだ。


「…いってー。オイ、成功したか?」

「わかんないスよ、そんなの。僕まっくらなんだから。死体!どうなの。成功した死体?」

「…………」

「もう死体のフリはいいっつーの!!」

『…何してんの、アンタら』


誠ちゃんの正体は万事屋だった。


「なんかおかしーと思ったらやっぱりてめーらかァァァァ!!何してんだコラァァァァ!!」

「違うっ!あの、違うんですって!僕らはお通ちゃんに!」

「うるせェェェ!!人の邪魔ばっかしやがって。何だァァ!!何が目的だァァ!?」

「いやホントに僕らお通ちゃんにィィィィ!!」


三人を蹴る真選組。これだから真選組の評判が落ちるんだっつーの。

あたし達は気づかなかった、お通がこの場にいないことに。
浪士に連れ去られていることに…。





続く

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