銀色ジャスティス | ナノ


▼ 一日局長に気を付けろッテンマイヤーさん

あっさりと刀を捨てる隊士達。
お前らもう武士やめちまえ。


「トシぃぃ!!総悟ぉぉ!風香ちゃんんん!!何やってんだァ!お前達も早く武装解除せんか!」

『近藤さんは頭をもう少し武装する必要があると思うけど』

「今日は一日イメージアップに尽力せんか!俺が何も考えずにお通殿をお呼びしたと思うのか?」

「いや、いやらしいことを考えてお呼びしたと思う」



寺門通。

一度スキャンダルで干されて落ちるところまで落ちたにも関わらずネバーギブアップの精神でどんな場所でも歌い続け、音楽プロデューサーのつんぽにその才能を見込まれ以前のイメージを見事払拭。
今では江戸でも屈指のアイドルに返り咲いた不死鳥のようなアイドル。


「あなた達が陰でチンピラ警察24時と言われてるのはしってるわ。私が局長になったからにはつんぽさんから叩き込まれた芸能戦術で徹底的にイメージ改善をはかってみせる。
まずあなた達につきまとう物騒なイメージを取り払わなきゃ。そのためにはまず規則から改善していくのがいいと思うの」



局中法度
【士道に背くまじきこと。これを犯した者 切腹】



「カッコいいけどやっぱりコレじゃ恐いよ。
今日からこれでいきましょうが焼き」



局中法度 改
【語尾になにかカワイイ言葉を付ける(お通語)こと。これを犯した者 切腹】



「…………いやカワイくねーし。一番物騒なの残ってるから、切腹って」

「それは侍らしさを表現するには削れないからくだのコブ」

「侍らしさなんて最早微塵も残ってねームーミン」

「そーそー、そういうカンジ」

「うるせーよ!!」


成程、あーいうカンジに言うのか。


「土方さん、仕方ありませんぜ。今日一日位我慢しやしょう油を一リットル飲んで死ね土方コノヤロー」

「お前が使うとより憎たらしさが増すんだけど!!」

『二人とも少しは落ち着こうよう怪になって地獄に落ちろ土方』

「お前ら二人ともそこに正座しろ!!」


お通曰く、あたし以外全員男だからムサいイメージが拭えないらしい。だから親しみやすさのあるマスコット的キャラが必要だと言う。
総悟が「風香も俺らと変わらねェよ」とかほざいていたが殴るだけで許してあげたあたしに感謝してほしい。


「で、私なりに考えてみたんだけどメスティックバイオレンス。こっちこっち」


上半身は人間で弓矢を持ち、下半身は馬でその背中には少女の死体を乗せたマスコットキャラ。


「真選組マスコットキャラ 誠ちゃん」

「だーから全然カワイクねーし!コレ真選組と何のつながりがあんだよ!」

『なんで死体背負ってんの!?どっち!?どっちが誠ちゃん!?』

「馬の方だようかん」

「こんな哀しげな瞳をしたマスコット見たことねーよ!カワイイどころかお前っ…うっすら悲劇性が見え隠れしてるじゃーねか!」


誠ちゃん……通称まこっちゃんは額に手を当てて「あー、やっちゃったなー」と言った。
何?何をやっちゃったの!?まさかそういう事!?

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