▼ サンタなんていねーんだよって言い張る奴こそホントはいるって信じたいんだよ
リアカーには武蔵っぽい人が乗っていた。
「乗れじゃねーよ!お前 なんか先住民の方がいらっしゃるじゃねーか!!」
「え?おたくらアレを見たのかい?それはね、ダンボールオーサンだ。心がキレイな奴にだけ見える妖精さ」
「明らかにお前も見えてるだろーが!お前のことメッチャ見てるぞオイ!」
『当たり前でしょ。あたしは心がキレイだから』
「ウソつけ。真っ黒だろ。お前真っ黒に汚れてんじゃねェか」
『あらヤダ、手が滑っちゃった』
─ドゴォン
「手が滑っちゃったレベルじゃすまねェだろこの音!」
『いや、手が滑っちゃったんだよ。だってホラ、今日寒いから。手元が狂っちゃったの。もう少しで仕留められたのに』
「不吉な言葉が聞こえた!仕留めるって聞こえた!!」
「「…………」」
「それに俺達はソリって言ったの!それリアカーじゃ…」
「リアカーじゃねェェ!マイホームじゃ!!」
「あっ すいません」
コイツら面倒臭がって話すすめやがった。
『細かい事にこだわんなさんな。ソリとリアカー言ってみ?ほとんどかぶってんじゃん』
「リアカーじゃねェ。マイ スゥイートホームじゃ!」
『あっ すいません』
「大切な事は何よ?子供達に夢を配ることだろーが。初心に帰れ。お前ら、あの頃あんなにキレイな瞳をしていたじゃないの」
「お前は俺の何をしってんだァ!!」
銀時は赤服のおっさんの腹を見た。
「大体、イメージ云々ぬかすならアンタの腹の方が問題だろ」
『あ、ホントだ。コレはヤバイでしょ』
「いいんだよコレで。こーいうカンジなんだよ。俺はデブタレントの先駆け的存在なんだよ」
「こんな腹見たら『あっ お父さんと同じだ』と失望することうけあいだ」
『赤い色は膨脹色っていって実際よりそのものを大きく見せちゃうんだよ』
「ならとりあえずそれ脱げ、だせーから。もっとシックなカンジでいこう」
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