▼ ミイラ捕りがミイラに
風香さんも銀さんを捕まえるの手伝って!そう言われれば断るなんてできない(てゆーか薙刀ちらつかされた)あたしはとぼとぼ歩いていた。
するときこえてきた声。
「アッハッハッハッ!お妙さん甘いですよ!」
そちらに足を運ぶとそこには落とし穴(ただし竹が鋭くこちらを向いている)に引っかかっている近藤さんと穴の上からそれを見ているザキ。
「絶対に出られないという事は裏を返せばお妙さんと俺の絶対不可侵領域の愛の巣ができるということ!そうだ!そういう事なんでしょ。ポジティブだ、ポジティブな事だけを考えろ勲。この状況で一瞬でもネガティブな事を考えてみろ勲。あのハーゲンダッツの二の舞勲」
「やっぱりいたんかいィィィ!!」
『またストーカー?こりないねェ、近藤さんも』
「その声は!ザキ!!山崎かァァ!!あと風香ちゃん!」
つけたしやがった。
「よりによって死の呪文みたいな奴が助けに来やがった!ちょっ 風香ちゃん助けて!」
『イヤ』
「それじゃ
「ウソ!ウソウソ!!更木君でなくて良かった!剣八君でなくてよかった勲!」
近藤さんはもう限界のようでプルプルと震えていた。
「早く引き上げてェェ!!ヤバッ…もう手足がガクガクで…生まれたてのゴリラ…」
『子馬だよ、近藤さん』
「違う違う!今のは間違ってないからね。俺が言ってんのは精神的な意味だから!誰だって生まれたては不安じゃん!!」
『アンタは生まれて三十年近くたってんのに不安定じゃないの』
「フフ、甘いわね」
近くでそんな声が聞こえた。それは銀時のストーカー、さっちゃんの声で。
「こんなワナで私の銀さんへの思いが折れるとでも思った?お妙さん。裏を返せばこれはあなたが私を恐れてるって事でしょ?銀さんをとられるかもって思ってるワケでしょ?そうよ、そういう事よ。ポジティブよ、ポジティブな事だけを考えるのよさっちゃん。この状況で一瞬でもネガティブな事考えてみなさっちゃん。あの眼鏡の二の舞さっちゃん」
「ここにもバカがいたよォォ!!」
「その声は銀サン!助けに来てくれたのね。ご免なさい、私銀さんを看病しようと忍び込んだらこんな事に…」
『コレ銀時じゃないから!眼鏡とれたら耳まで遠くなるの!?バカなの!?』
「ウフフ、やっぱり銀サン!私を喜ばせるそのサドっぷりは銀サンだけだもの。私はだまされないゾ!」
「なんだ?この落とし穴に落ちるバカは人を腹立たせるバカばかりか?」
『つーか性別違うんだけど!死ねコルァ!!』
「ザキィィ!風香ちゃんんん!何してんだァ!!早くしないと生まれたてのゴリラが死にたてのォォォ!!」
『うるせェェ!!』
「やっぱり銀サンだわ!そうやって焦らして楽しんでいるのね。いいわよ、乗ってあげるわよ!」
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