▼ 陽はまた昇る
敵の間を駆け抜けるヅラ。の後を追うあたし達。
「!! お前ら…!!」
「ここまで来たら最後まで次合いますからね!」
「ヅラぁ。てめっ 帰ったらなんかおごるアル!!」
「…風香お前まで、」
『今ここにいるのは、真選組零番隊隊長 日比野風香じゃない。“あの頃”のあたしとして来てるから』
「!」
アイツの背中を護り、護られる存在だった。
『負けやしないさ、絶対に』
「…そうだな」
刹那、ヅラの足元を弾丸がかすめる。
通路にいたのはまた子と武市だった。
「晋助様のところへはいかせないっス」
「悪いがフェミニストといえど鬼になることもあります。綿密にたてた計画…コレを台無しにされるのが一番腹がたつコンチクショー」
『その綿密にたてた計画を台無しにするのが“真選組零番隊隊長”としてのあたしの仕事なんでね』
してやったり、と笑う。
「ヅラぁ、私酢昆布一年分と“渡る世間は鬼しかいねェチクショー”DVD全巻ネ。あっ あと定春のエサ」
「僕、お通ちゃんのニューアルバムと写真集とまハーゲンダッツ100個お願いします。あっ やっぱ1000個」
「あっ ズルイネ!じゃ私酢昆布十年分!!」
『ちょ、なに言っ…』
「風香は今度そよちゃんと遊べるか交渉してきてヨ」
「そうだなぁ…じゃあ風香さんは今度万事屋の仕事手伝ってください。雑用ですから覚悟しててくださいね」
「おい何を!」
「「早く行けェ、ボケェ!!」」
「待て!お前達に何かあったら俺は…銀時に合わす顔がない!」
二人は駆け出す。
「何言ってるアルか!!」
「そのヘンテコな髪型見せて笑ってもらえ!!」
神楽はまた子に、新八は武市に飛びかかる。
「読めませんね…。この船にあってあなた達だけが異質。攘夷浪士でもなければ桂の配下の者でも、真選組でもない様子。…勿論、私達の味方でもない」
「なんなんスかお前ら!一体何者なんスか!!何が目的スか!一体誰の回し者スか!?」
二人はニタッと笑う。その姿は奴に似ている。
そう、あの銀髪天然パーマ……坂田銀時に。
「「宇宙一バカな侍だ、コノヤロー!!」」
続く
prev / next