▼ バカとワルは高い所がお好き
「んごををををををを!!」
「何者っスかァ!!オイぃぃ 答えるっス!!」
船は空へ上昇中。なんで空に向かってるかなんてあたしにもわかんねェよ!だけど走らないとヤバイってことだけはわかる!
さらに新八は辛い。なぜなら神楽を抱えて走っているからさ!
「ダメッ もう落ちる!神楽ちゃん、助けに来といてなんだけど助けてェェェェェェ!!」
「そりゃねーぜ、ぱっつァん」
「のん気でいいなてめーはよう!!」
「あー!お前は日比野風香!なんでこんな所にいるんスか!部屋にいたはずっスよ!!」
『脱走したんだよ』
「ドヤ顔で何言ってんスか!!てゆーかどうやっ…」
『ピッキング』
「だからドヤ顔すんなァァ!!」
えー、ドヤ顔ダメなの?
「…風香 新八、私こんな所までヅラ捜しに来たけどやっぱり見つからなかったネ。ヅラ…どうなったアルか?銀ちゃんは…なんで銀ちゃんいないの」
『……銀時はね、ちょっとケガしちゃってるんだ。だからここにはいないの。ヅラは…生きてるよ。絶対、生きてる』
「風香…」
『あたし達と一緒に戦場を駆け抜けたアイツが…こんなことで死ぬワケない』
その時、また爆発が起きた。
新八の腕から神楽が抜ける。その手を、あたしはつかんだ。
『か、ぐら…っ』
「風香さん、血が…っ」
『わかってる、よ…』
ジワジワと腹から血が流れていく。ちょ、マジ痛い…。
うわああ、力が抜ける…。そう思った時だった。
『へっ?』
ぐいっと何かに引っ張られ、船内に戻らされた。
デカイ目。
黄色い口。
白い身体。
『! エリザベス』
「こんな所まで来てくれたんだね!!」
【いろいろ用があってな】
─バシュッ
安心したのは一瞬で、気付いた時にはエリザベスの顔だった部分が床に落ちていた。
オイィィ!これ子供に見せていいのか!?ダメじゃね!?
「オイオイ。いつの間に仮装パーティ会場になったんだ、ここは。ガキが来ていい所じゃねーよ、ここは」
「ガキじゃない」
この、声…まさか…!
エリザベスの中から出てきて晋助を斬った人物。
「桂だ」
続く
prev / next