▼ 満月は人を狂わせる
「あ。気がつきました?よかった〜」
銀時は目が覚めた。そこは自室だった。布団で寝ていて横にはお妙がいて。その傍らにはなぜか薙刀があった。
「全然動かないからこのまま死んじゃうのかしらって思ったのよ。大丈夫ですか?意識しっかりしてます?私のことわかります?」
「まな板みたいな胸した女でしょ?」
殴られた。
「…お前なんでココにいんの?」
「新ちゃんに頼まれたんです、看病してあげてって」
「なんで看病する人がなぎ刀持ってんの?」
「新ちゃんに頼まれたんです、絶対安静にさせて出かけようとしたら止めてくれって」
「止めるって何。息の根?」
笑顔が逆に恐ろしいと銀時は思った。
「そういや新八や神楽はどうした?」
「あの…用事でちょっと出てます」
「…風香は、どうした?」
「あの…用事でちょっと出てます」
「用事って何よ」
「いいからいいから。ケガ人は寝ててください」
「てゆーか風香は連れ去られ…、!」
起き上がると目の前には薙刀が。
「動くなっつってんだろ。傷口開いたらどーすんだコノヤロー」
「………」
お妙の迫力に銀時は青ざめた。
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