銀色ジャスティス | ナノ


▼ 売店ではやっぱコロッケパンが一番人気

最近、この辺で辻斬りが起こっている。
いつもより念入りに見廻りをしていたあたしは、休憩ついでに万事屋に寄った。……それが間違いだった。
エリザベスが客として来ていて、何もしゃべらないからなんとかしてほしいと言われ万事屋に引き込まれた。泣きたい。


「お茶です」


新八がエリザベスの前にお茶を出す。


「あの…今日は何の用で?」


無言。


「…なんなんだよ。何しに来たんだよこの人。恐えーよ。黙ったままなんだけど。怒ってんの?なんか怒ってんの?なんか俺悪いことした?」

「怒ってんですかアレ。笑ってんじゃないんですか?」

『笑ってたら笑ってたで恐いよ。なんで人ん宅来て黙ってほくそ笑んでんの。なんか企んでること山の如しじゃないの』

「新八、お前のお茶が気にくわなかったネ。お客様はお茶派ではなくコーヒー派だったアル。お茶くみだったらそのへん見極めろヨ。だからお前は新一じゃなくて新八アルネ〜。なんだヨ、八って」

「んなモン パッと見でわかるわけないだろ!!」

「俺すぐピンときたぞ。見てみろ、お客様口がコーヒー豆みたいだろーが。観察力が足りねーんだ、お前は」


ということで。


「コーヒーです」

「…………」


変わらなかった。


「オイなんだよォ!!全然変わんねーじゃねーか!」

『いだっ!』

「銀さんだってコーヒー豆とか言ってたでしょーが!!」

「言ってません〜。どら焼き横からの図と言ったんです〜」

『なんで頭叩いた!?』

「ちょっ もうホントいい加減にしてくんない。なんで自分宅でこんな息苦しい思いをしなきゃならねーんだよ。あの目見てたら吸い込まれそうなんだけど」


その時、万事屋に一本の電話がかかってきた。銀時はそれに出る。


「新八、こうなったら最後の手段ネ。アレ出そう」

「え?いや、でもアレ銀さんのだし怒られるよ」

『アレってなに?』

「いいんだヨ。アイツもそろそろ乳離れしなきゃいけないんだから。奴には親がいない。私達が立派な大人に育てなきゃいけないネ」

『だからアレってなんなの?』


結局アレの正体がわからないまま、銀時の仕事についていくことになった。










「いちご牛乳でございます」



「エリザベス。武士は質素で素朴なものを食していればよい。いちご牛乳だ パフェだ クレープだ甘ったれた軟弱なものを食していたら身体だけじゃなく心まで堕落してしまうぞ」



「泣いたァァァ!!やったァァァ そんなに好きなの!?」

「グッジョブアル新八。よくやったネ!!」

「…アレ?やったのかコレ」

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