銀色ジャスティス | ナノ


▼ 少年はカブト虫を通し生命の尊さを知る

「オイ何の騒ぎだ?」


騒ぎをききつけてやってきたのほ真選組だった。オイオイマジか。あー…なんか一騒動ありそーだな。


「ん」

「あっ お前ら!!こんな所で何やってんだ!?」

「何やってんだって…全身ハチミツまみれの人に言う資格があると思ってんですか?」

「これは職務質問だ。ちゃんと答えなさい」

「職務ってお前 どんな職務についてたらハチミツまみれになるんですか」

「お前に説明するいわれはねー」

「カブトムシとりだ」

「言っちゃったよ。もうちょっとこうなんか…」


土方さんが説明しないと言ってるにも関わらず近藤さんはあっさり答える。いいのかオイ。


「カブトムシとりぃ!?」

「オイオイ、市民の税金しぼりとっておいてバカンスですかお前ら?馬鹿んですか!?」

『違う違う。コレも(認めたくないけど)仕事なの。わかったらさっさと出てって邪魔だから』

「ふざけるな!私だって幻の大カブトをとりにここまで来た時ネ!定春28号の仇を討つためにな!!」

「何言ってやがんでェ。お前のフンコロガシはアレ 相撲見て興奮したお前が勝手に握りつぶしただけだろーが」

「誰が号させたか考えてみろ!誰が一番悪いか考えてみろ!!」

「お前だろ」


銀時が神楽の頭を叩く。


「総悟、お前また無茶なカブト狩りをしたらしいな。よせと言ったはずだ」

「マヨネーズでカブトムシとろうとするのは無茶じゃないんですか?」

「トシ、お前まだマヨネーズでとろうとしてたのか。無駄だといっただろう。ハニー大作戦でいこう」

「いや マヨネーズ決死行でいこう」

「いや なりきりウォーズエピソードVでいきましょーや」

「いや 傷だらけのハニー湯煙殺人事件でいこう」

『いや もういっそのこと殺っちゃわね?』

「ダメだよそれは!!」


近藤さんからダメ出しされました。………チッ。
その時、隊士の一人が声をあげた。どうやらカブトムシを見つけたらしい。前方まっすぐの木に。その知らせをきいた人々は。



「「「カブト狩りじゃああ!!」」」



一斉に駆けて行った。元気だなぁ。


「待てコラァァ!ここのカブト虫には手を出すなァ!!帰れっつってんだろーが!!」

「ふざけんな!一人占めしようたってそうはいかねーぞ。カブト虫はみんなのものだ!いや!俺のものだ!」

「クソッ。オイ奴らにアレを渡すな!なんとしても先に…ぶっ!!」


「カブト狩りじゃあああ!!」


神楽が土方さんの頭を踏み台にしてカブト虫に手を伸ばす。


「カーブト割りじゃああ!!」


が、総悟が神楽の足をつかみ顔面を地面に強打させたのでカブト虫ゲットはならなかった。


「カブト蹴りじゃあ!!」


次は銀時が総悟の頭を蹴り木にめり込ませる。


「ワッハッハッハッ!カーブト…割れたァァァ!!」


近藤さんは自分に塗りたくったハチミツで滑って頭を地面に打ち付けた。


「カーブト…」

「言わせるか!カーブト…」

「俺がカーブト…」


どちらが先に言うか争ってる銀時と土方さん。…に近づく総悟と神楽。


「カー」

「ブー」

「「トー」」


「…オイ、ちょっと待て」

「俺達味方だろ。俺達…」


「「折りじゃァァァァ!!」」


木を折りやがった。森林破壊ダメ絶対。



「「ぎゃああああ!!」」



衝撃でカブト虫どっかいっちゃうし。


「いっちゃったね…」

「いっちゃいましたね…」

『ねむ…』



***



夜。


「まったくとんだ邪魔が入ったものだ。ただでさえこの広い森の中で一匹の虫探すなんて至難の技だというのに」


あたし達は火を囲って今後どうするか作戦を練っていた。


「どうしたものか、トシ…」

「とにかく奴等にアレの存在をしられねーように気を配ることだ」


銀時達のことだ。アレに勘づいたら間違いなくよからぬことを考えるはずだ。なんせ価値にしたら国宝級の代物なのだから。


「うむ!なんとしても見つけださねば。みんな今のうちに腹ごしらえしておけ。今日は夜通しで探索を行うぞ。一刻も早く“瑠璃丸”を将軍様の元へ返すのだ」


「「「オオー!!」」」



***



同時刻。木の上。


「あの女、今度こそ決着つけてやらァ」





続く

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