幼馴染みということがバレる
「おいコラ日向ァ!!」
田中の声にビビる日向。
日向は正座をする。田中相手に正座なんてしなくていいのに。
それから田中は、日向が下手糞なんてことわかってると言い切った。それを大地さんはわかって入れてるんだと。
「良いかァ!バレーボールっつうのはなあ!ネットのこっちっ側≠ノいる全員!もれなく味方≠ネんだよ!!」
「!」
「下手糞上等!!迷惑かけろ!!足を引っ張れ!!それを補ってやるための!!チーム≠ナありセンパイ≠セ!!!」
田中は日向に何度も田中先輩≠ニ呼ばせる。単に先輩って呼ばれたいだけだろ、アレ。
……まあでも、ああいうことは絶対裏表無さそうな奴がいうから効果があるんだよねぇ。
「第2セット始めます!!」
飛雄は日向にトスを上げるが、少し高かったため打てなかった。飛雄が謝ったことが意外だったのか、金田一も国見ちゃんもポカーンとしていた。
でも次の攻撃ではきちんと日向の手に当たりスパイクが決まった。
……向こうは日向を警戒しただろう。さて、反撃といきましょーか。
***
第2セットを取った。
休憩中に逆転勝利してやると騒ぐ田中達に油断禁物と注意をした。
『……向こうのセッター、正セッターじゃない』
「えっ!?」
『青城の正セッターは――』
言おうとしたら第3セット開始の笛に邪魔された。…………笛このヤロウ!!
スガさんに向こうの正セッターって?と聞かれたので応えようとしたら「及川さ〜ん!!」という声に邪魔された。……クソっ!
『…アレですよ、青城の正セッター』
「え、うそっ」
『マジです』
「影山くんあの優男誰ですかボクとても不愉快です」
田中の声が聞こえてきた。どうやら自分がモテないから悔しいようだ。目が逝ってる。
「…及川さん=c。超攻撃的セッターで攻撃もチームでトップクラスだも思います」
「!(影山がここまで言う選手…)」
「あと凄く性格が……悪い」
「お前が言う程に!?」
「月島以上かも」
「それはひどいな!」
「…………」
月島の目の前でそれ言うってどうなの。いや確かに月島性格悪いけれども。
「やっほー トビオちゃん久しぶり〜。育ったね〜」
飛雄はサーブとブロックは徹を見て覚えたと言う。実力はそうとうだと。……まあ確かにそうだけど。
「元気に王様≠竄チてる〜?」
「……それから、」
「あっ 風香ちゃーん!」
『…………』
「無視!?」
『…………』
「ちょ、及川さんのこと気にしよう?風香」
『話しかけないで女子の視線が痛いついでに烏野の視線も痛い恐いつまり及川死ね』
「なんで!?」
「………風香さんの幼馴染み、です」
「「「はァァァァァァ!?」」」
体育館に大声が響き渡った。