短編 | ナノ
14
先輩、元気ですか
俺大学決めたよ
それに向けて勉強頑張ってる
日下部と一緒のとこ行くつもりやねん
一人暮らしどうなん
先輩の事やから女連れ込んでばかりおるんちゃうの
そうや、あの科学の爺さん先生おらんくなってんで
あと英語のみかちゃん結婚したで
まだ先生は続けて行くみたいやけどな
ほんまはさ、
先輩が大学生になったら
どうせ遊んでばかりおるんやろうって思ってたからさ
俺、先輩に勉強教えてもらおうって思っててんで
やのに簡単には会えんくなってもうたやん
先輩、風邪ひいてへん?
東京弁とか喋ってたら俺ひいてまうわ
いつまでも関西弁でおってや
そうや、こっち帰ってきたら
一人暮らしで鍛えた料理ご馳走してや
先輩、俺が日下部に勉強教えてるって不思議やねん
一年の頃からは考えられへん事やねんで
先輩に感謝せんとあかんのは
俺やなくて、日下部の方かもしらんな
先輩、彼女できた?
先輩、大学楽しい?
先輩、俺のこと・・・もう忘れた?
俺からは一通もメール、送れんかった。
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