短編 | ナノ



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「で、もっ・・・尚っ触れてもっくれないしっ・・・キスだって・・・昨日だって、俺より友達の方が・・・」

なんで、こんなこと言う羽目に・・・
自分からキスほしいとか、おねだりしてるみたいじゃないか・・・

恥ずかしさに、今度は逃げたくなった。

「そ、れはっ・・・。・・・俺だって、成に触れたくてキスだって・・・つーか、ややややや」

俺を覗き込んで、そこまで言うと
またボスッと俺の顔の横に沈み込んだ尚。

「や?」

「・・・やりてーとか、思ってて」

また耳元に、湿った尚の声

「っ・・・」


こんな、姿勢でそんな事言われたら。

変に意識してしまう―――。


「成、引いた?・・・俺は常に成見て欲情して、お、襲いそうで。傷つける前に、お前と距離とってた。けど・・・我慢もー・・・限界。」

「ふあっ!」

「いつだって、こうやって押し倒したくって」

首筋に顔を埋め、唇と舌が這う感触に気持悪さなんて無かった、むしろ・・・

「ちょ、尚、な・・・・尚人っ」

慌てて押し返すとあっさりと尚は離れていく

「ご、め・・・」

「もっと、強引で・・・良いよ。」

それくらいのほうが、尚はちょうど良いと思う。
俺のこと考えて、離れられる方がどれだけ辛いか・・・。

「ま、じ?・・・じゃぁ、遠慮なく!」

目をキラキラさせて、また俺を押さえ込んだ尚の髪を引っ張って慌てて抵抗した。

「まてっ!きょ、今日はキスだけっ!」

「・・・・」

「・・・だ、ダメかな?」

「・・・成」

眉毛を下げて笑いを堪えながら

尚がそっとキスしてくれた


「いきなりは、俺だって怖いけど・・・尚が離れていくほうがイヤだ。・・・少しずつ、ふ、触れ合いたい。・・・だからもう宮本さんの所・・・行かないで―――んっ」

顎を捉えて、また尚がキスをくれる。
さっきよりも、熱くて、長くて・・・
た、食べられそうな・・・


「ゴメンな。」

「宮本さんに、相談するなら・・・俺にしてよ」

「成の相談を・・・成に?」

「うん。なら、尚の考えてる事もわかるし、答えも導きだせるだろ?」

「あはは、だな。じゃぁ、早速。成から・・・お預けくらってんだけどどうしたら良いと思う?」

「―――っ、お、お預けって・・・だ、だから心の準備がっ・・・」

「成に触れたいって思う、成を・・・早く抱きたい」

「っ、譲歩し合おう。なっ?」



俺と尚の歩みは遅いかもしれないけど
やっぱり俺は尚とは離れたくなくて
いつまでも一緒に居たいって
また、思えた。

俺が尚に頂かれるのはまだ先だけど
俺のために我慢してくれる尚をもう少し見ていようと思う・・・。

甘かったり酸っぱかったり。

両思いだって、そんな恋愛してるんだ。




END



20071206


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