鹿本くんと住田くん | ナノ



鹿本くんと住田くん
06






そうだ、自業自得だ。
和志が以前接触してきてたんだから、もっと警戒しても良かったんだ。
自分がもっと強ければ、あんな一蹴りで意識を飛ばしたりしていなかっただろう。

「…悔し涙か。…それとも自分が情けなくて泣くのか」

悔しい、情けない。あの男がムカつく。

けど、これは。


「っはぁ…。俺、は…鹿本にっ」

光る髪から視線を外して、再度鹿本と視線を絡ませた。言葉だけじゃない、このもどかしい気持ちが鹿本に少しでも伝わればいい。

「鹿本に…、触わって、ほし」


「なら、お前から来いよ」


ニヤリ、と鹿本が悪戯に笑う。

今まで一つとして表情を変えなかった鹿本が。

手を伸ばし、鹿本の腕を取ると簡単にベッドから降りて傍にまでやってくる。
俺を試すように見ている事は確かだった。
近くなった煙草の匂い。俺は鹿本の髪の毛を手繰り寄せ、近づいた鹿本の唇に自分の舌を沿わせた。

それは男の唇だ。
柔らかいわけでもなく、薄いその唇にゆっくりと舌を沿わせ、鹿本の唇を口に含む。
鹿本の唇が開くと、そっと舌を伸ばした。
頭を捕らえて、ゆっくりとその口内を確かめるように。

仕掛けているのは自分なのに、とろけそうになってるのも自分。
鹿本はただ受け入れるだけだった。

唇は合わせたまま、鹿本のシャツのボタンを一つずつ外していく。上手く外せないボタンに苛立ちながら、曝け出された肌に手を乗せる。
鹿本の首筋に、舌を這わせながら、指先で肌を滑り、鹿本のベルトに手を掛ける。

余裕がない。

「鹿本」

掠れ声で名前を呼ぶと、鹿本が俺に手を回してくれた。
一人じゃないって、やっと感じることが出来た。
一人でこの行為に没頭してる俺はきっと馬鹿にされてるんだろうとか、そんな風に思っていたから。

回された手が嬉しいとか、思うなんて。

薬のせいだって思わせて。
薬のせいだって思ってくれ。

鹿本を押し倒すようにして、ズボンを脱がせて、まだ半勃ちのモノを咥えた。躊躇いなんて無かった。

「ん、ぅ」

少しずつ、硬くなるそれに比例して、自分のものも膨張する。片手で自分のモノを握り、無心になって擦り立てた。

「んんっ、ん」
「口、サボんなよ」

頭を押さえつけられて、喉の奥にまで突っ込まれる。
乱暴にされることさえ今の俺には快楽に繋がった。むちゃくちゃにされたい。

鹿本の力で、千切られたい。

「んぅ、が、っ」

激しくなる鹿本の動きを必死に受け止め、手で支えるしかなかった。

「出すぞ」

自分の舌よりも熱い迸りを喉で受け止め、あまりの事で受け止めきれずゲホゲホ嘔吐いた俺の顎を、鹿本が支えていた。
笑いながら。






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