鹿本くんと住田くん | ナノ



鹿本くんと住田くん
03





「やめろッ!」

男が水色のボトルから透明な液体を垂らし、それは静かに自分に降りかかる。
スローモーションのように見えたそれはひんやりとペニスを包み込んで、その温度差にまた意思を反して震える。

駄目だと思っていても、ほんの少しの刺激が耐えられないほどの快感となっている。
ビクビクと震えるペニスを見ていた和志が、耳のすぐ傍で息を飲んだ。

卑猥な音を立てて、男の指が這い回る。ほんの少しペニスを擦り上げて、俺が腰を震わせると、男はすぐに後ろへと指を滑らせた。

「お前が気持ちよくなるんじゃなくて、俺が、だからな」

そう言うと、男は容赦なく指を穴へ突き入れてきた。

「―――く、ぅううっ!」

腰が跳ねる。

「へ、いやらしいぜ。もう鹿本も咥えたんだろ、この穴は」

くいっと開かれるように、指が動く。ゆっくりと開いては少し休んで。
穴をほぐすように動いて、水色のボトルから液体を流し込み、指はどんどんと奥へと進んでいく。

俺の背中を支えるように後ろに座っている和志は、ゆったりと乳首に刺激を与え続けていた。
もちろん、好きだと言う耳への愛撫も忘れてはいない。
背中に当たるものが、勃起した和志のモノだって事に、俺は気付かないフリをし続けている。

「は、ぁ、も、やめ…、」

叫び声になりそうな喘ぎは何とか全部飲みこんで、呼吸と共に吐息のような声だけを漏らす。

「やめたらお前も辛いだろ。俺だって辛いんだよ」
「あ、あぁぁ、っ」

脳がとろけそうだった。
何本入っているのか分からないけれど、男の指が束となって自分の体を出たり入ったり、卑猥な音と共に、それは少しずつ早くなっていく。

「やらしい穴だな。俺の指に食らいついてんだから。もっと激しいのが良いんだろ?鹿本もかなりだからなぁ」

もっと奥に欲しい。体の中をかき混ぜて欲しい。
そう、心にも思わないことを、本能が訴えていた。
激しい指の動きに、俺は翻弄されるままだった。
長い指先が出て行く時に、男の親指が袋の根元を押さえて行く。その刺激に、もう、出そうだった。

「あ!……うそ、あ、あぁぁ」

堪えなくてはと思う意思に反して、押し出されるように白い液体が飛び出した。

ガクガクと震える腰は意思がなくて、下半身だけはまるで別物だ。見ている自分でさえもいやらしい体だ、と思ってしまうくらい―――。

「――っう、ひっ、…で、るっ!!」

男の手が震えるペニスを握ると、また奥から駆け上がった快感に、初めて鹿本に抜かれた時の事を重ねた。





prevbacknext




[≪novel]

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -