鹿本くんと住田くん | ナノ



鹿本くんと住田くん
03






・・・って

結局、鹿本の家に来ちゃう俺だけど。


あーヤダヤダ。


バイト中も幾度となく考えた鹿本対策・・・。
いや、全く思い浮かばなかったけどね。

この階段上がれば玄関・・・あ、ポストに突っ込んでおけば良いんじゃね?
その手があった!
袋に入ってるし、多少の事なら汚れないだろう。

初めからこうすりゃ良かった。
んで、鹿本が気付かなかったらダメだから、学校で一言伝えれば良い。


「よしっ!」

と片足を階段に掛けた。


「なにがよしだ?」

「!!」


うそーん!神様!


「・・・・あは、こ、こんばんは鹿本。」

「上がれば?」

そんなにっこり言われても逆に怖いです。
鹿本の手にはコンビニの袋。
なんてタイミングが悪いんだ、俺っ!どっかで時間潰せばよかった・・・5分でも、いや、3分でいい。


「いや、返しに来ただけだし。コレ。」

「ン。」

と、顎で階段を促された。

「あー・・・」

階段上がれと?
上がったら部屋入れって事じゃ?



「ブッ。なんかおかしいと思ったらもしかして住田・・・・なんか期待してる?」

「は?期待?・・・何に?」


「俺がまた抜いてくれるって。良かったろ?アレ。」


「ばっ!」


ばっかじゃねーの!
誰がッ!誰が期待するか!
誰が他人に抜いてもらいたくて〜とか言うんだよっ!


「忘れられねーンだ?」

「んなわけあるかっ!死ねっ!」

「あそ?てっきり家を拒むのはそんな意味の裏返しかと。」

「どんだけ勘ぐってんだよ。」


「じゃ、上がれよ」


ぐっ・・・。
なんか、また上手く丸め込まれた気がしないでもないんだけど・・・。


「つーか、男になんて興味ねぇし。こないだのは遊びだろ?住田。」

「あ、あぁ・・・。」


ちょ、やっぱりなんか俺・・・鹿本と喋ってるとお子ちゃま気分だ。
悔しいけど、何枚も相手が上手で。
おちょくられてるとしか思えない・・・。

ぶつぶつとそんなことを考えていると、鹿本の手が俺の背中を押して、その力に流されるように目の前の階段を上がっていった。



直ぐに帰ればいい。
何かあれば逃げ帰ればいい。


何か、って・・・


なんもあるわけねーよ!





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