鹿本くんと住田くん | ナノ



鹿本くんと住田くん
03






帰宅して、自室のベットに鞄を放り投げた。
放り投げてから、慌てて鞄を取り上げる。

鞄から鹿本に貰った袋を取り出し、中身を確認。


「焦った・・・」


もしケースが割れてでもしたらどんな目に遭うやら・・・


じっと面の写真を見る。
先輩って人もこんなの自作するってすごいよな・・・

そこに写ってる、女性を見る。
顔は分からないようになっているけど、明らかに刺激的な表情をしているのが分かって。
たしか、中の映像では顔は隠されてなかったはず。


「う・・・・」

少しくらい・・・
いや・・・借りたんだから、見ないと、な。

少し熱を持ち出した自身。
のそのそと、テレビ横のデッキにDVDをセットする。



なんの前フリもなく、突然始まるソレ。
さすが手作り・・・。

初めはぼーっと眺めていたけど、だんだんと行為が盛り上がって来た頃には夢中だった。

先輩らしき人のモノを咥える女。

ってか、先輩の黒すぎねぇ?
使ってる人ってのはこんなのなのか!?

女の声が一段高くなったところで自身を握り、扱い始めるともうそればかり・・・。

いや、男ですから。
仕方ない。
気持良い事、したい。


「ん」


気持良さそうに喘ぐ女。
その声。

がっちゃんも、鹿本も、今頃女抱いてんのかもしれない。
なんて思ったら虚しいから、直ぐにそんな考えは消し去った。


自分を握り、強く擦る。
強く、強く・・・・

鹿本がやってたのはもっとなんか違うくって、
下から全て持っていかれるくらい、腰にくるんだ。

もっと、もっと深いところから・・・

「・・・っ」

ゾクリ、と思い出したのは鹿本の手。


もっと、こう先の方を・・・


「あっ」


違う―・・・



いつの間にか、鹿本に弄られていると錯覚して。
そして鹿本から受けた刺激を思い出して。
足りない自分のテクにもどかしさを感じ、ソレを焦らされると勘違いして・・・。

鹿本にしがみついていた時のように
ベットのシーツを握り締めて
滴る雫、擦り上げるといやらしい音が鳴る。


「ふっ・・・あっ・・・・か・・・」


―・・・鹿本、と

声にしてしまいそうな事に気付いて、慌てて唇を噛み締めた。

声にならなくても、頭の中では鹿本に縋って「鹿本」と何度も呼んで・・・・


「―――んんっ!」


果てた。



なんで、鹿本で果ててんの。
ベッドに頭を預けて、テレビなんて全く見てないじゃないか、俺。





ちょっと・・・泣いても、いい?






END

08.01.26




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